研究課題/領域番号 |
20K17022
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
藤原 新太郎 香川大学, 医学部, 寄附講座教員 (30612486)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 表在型食道癌 / マイクロRNA / 内視鏡 / 食道扁平上皮癌 / 早期食道癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦における食道癌数は約1万3000人と推定されており、全がん死亡の3.4%を占める。内視鏡検査による早期診断技術が進歩している一方で、食道扁平上皮癌の半数以上は局所進行もしくは転移を有する進行した状態で発見されることが多い。microRNAはヒト疾患・各種の癌腫の早期検出バイオマーカーとして有用の可能性を検討されているが、早期食道癌に特異的に発現するmicroRNAとその機能的役割についてはこれまでの知見では明らかではない。本研究は、食道扁平上皮癌を早期から検出できる特異的なmicroRNAを検索し、早期診断への応用と腫瘍増殖・浸潤に関連する分子明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
食道癌の早期発見と治療において、腫瘍の深達度・脈管浸潤の正確な判定と新たなバイオマーカーの開発が望まれる。本研究では,表在型食道癌の内視鏡切除前に得られた腫瘍組織と隣接する正常組織のマイクロRNA(miRNA)の発現プロファイルを比較した。またmiRNAの発現と食道癌の深達度および脈管侵襲に関連するmiRNAについての発現解析を行った。表在型食道癌の腫瘍組織ではmiR-21-5pなど複数のmiRNAが高発現しており、癌細胞株を用いて機能解析を行った。本研究からこれらのmiRNAが、表在型食道癌の早期診断マーカーや癌初期の細胞増殖浸潤機構に関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、癌の次世代早期診断マーカーであるマイクロRNAの表在型食道癌における発現パターンを明らかにした。また食道癌の深達度および脈管侵襲に関連するmiRNAについての発現プロファイルを行いmiRNA signatureを樹立し、これらのmiRNAが診断バイオマーカーとして役割を果たす可能性を示した。表在型食道癌の腫瘍組織では、特にmiR-21-5pとmiR-146b-5pが高発現し、miR-210-3pの低発現していた。合成miR-21-5pの導入で食道扁平上皮癌細胞株の細胞増殖が促進されており、miR-21-5pの過剰発現が初期の腫瘍増殖・浸潤のメカニズムに関与するものと考えられた。
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