研究課題/領域番号 |
20K17026
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
早坂 尚貴 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00792665)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 食道癌 / STEAP1 / 化学療法 / 細胞周期 / JAK-STAT / 薬剤耐性 / 発癌機序 |
研究開始時の研究の概要 |
切除不能食道扁平上皮癌(UR-ESCC)は有効な治療法が確立されていない予後不良疾患である。また化学療法の効果予測因子や薬剤耐性機序も不明である。一方、我々は大腸癌においてSTEAP1-NRF2シグナル伝達経路が酸化ストレスを抑制する事を報告した。ESCCのin silico 解析でSTEAP1が高発現している事を発見し、さらにSTEAP1のknock-downにより転移・浸潤に関わる分子群の発現低下も見出した。本研究は、STEAP1による転移浸潤能亢進および抗癌剤耐性機序の解析、STEAP1の薬剤感受性マーカーとしての検証、STEAP1経路を標的とした新規ESCC治療法開発を目的としている。
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研究成果の概要 |
食道癌におけるSTEAP1の機能を明らかにするため, 食道癌細胞株を用いてsiRNAを用いたSTEAP1 Knock down(K.D.)によるviabiityへの影響をWST-1 assayを用いて検討したところ, STEAP1をK.D.すると細胞増殖が抑制されることを見出した. また, Cell cycle assayではK.D.によりG1 arrestが惹起されることを見出した. さらにK.D.前後のRNAを用いてRNA sequence解析を行い, JAK-STAT経路に変化があることを見出した. 以上より, STEAP1は食道癌における細胞増殖および細胞周期との関連が示唆された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
STEAP1は前立腺がんなど他癌腫で発現亢進していることが既に指摘されており、一部では治療標的にされるなど注目されている細胞膜蛋白である. 食道癌におけるSTEAP1の役割はこれまで明らかにされていないが、我々はSTEAP1が食道癌においても発現亢進していることを見出し、今回その機能について解析を行った. 細胞株を用いた検討では, STEAP1が食道癌細胞の増殖に関連していること, さらには細胞周期に関与していることを見出した。そしてRNAを用いた解析ではJAK-STAT経路に関与していることを示唆する結果も得た. これらは今後更なる食道癌の病態解析や治療戦略開発に寄与し得る知見である.
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