研究課題/領域番号 |
20K17034
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
森町 将司 東海大学, 医学部, 助教 (70838010)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 膵癌 / microRNA / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は極めて予後不良な癌の1つである。しかし、稀ではあるが膵癌と診断されながらも5年以上生存する例がある。このような長期生存例では、通常の膵癌とは異なる分子学的特徴があると推測される。そこで本研究では、様々な分子を制御するmicroRNAに注目し、長期生存膵癌に関連するmicroRNAを発見し、その機能や薬剤による影響を調査する。今までにない切り口で膵癌の長期予後に関連するmicroRNAを解明することは、膵癌の予後悪化前につながる早期診断や新規治療方法の開拓に貢献できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
術後5年以上生存した膵癌症例と術後1年未満に死亡した膵癌症例のmicroRNAの発現を網羅的に比較することで、長期生存例において有意に発現が低下しているmicroRNAを複数発見した。膵癌細胞株を用いたcell proliferation assayを施行することで、それらmicroRNAが膵癌細胞の増殖に関連することを明らかにした。さらに、これらmicroRNAに関連する蛋白を各種データーベース、文献をあたりいくつか候補に挙げ、免疫染色を行うことでDDX5という蛋白が低発現の膵癌は極めて予後が悪いことが分かり報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は極めて予後不良な悪性疾患の1つであり、生存期間中央値はわずか14.7ヶ月である。膵癌の予後を改善させるためには早期発見が重要であるが、早期膵癌に特徴的な身体症状や血液検査所見は乏しく、早期診断は極めて困難である。microRNAはリキットバイオプシーの開発項目の1つであり、悪性腫瘍を始めとする各種疾患の早期診断や治療標的として近年注目されている。本研究はこれまで報告されていなかったmicroRNAと蛋白の膵癌予後との関連を明らかにした。本研究成果は膵癌の新しい治療ストラテジーの開発に貢献する可能性がある。
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