研究課題/領域番号 |
20K17035
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
佐川 孝臣 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80867929)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | フォンタン関連肝疾患 / 肝腫瘍 / 肝線維化 / 肝臓がん / 肝繊維化 |
研究開始時の研究の概要 |
Fontan手術は先天性心疾患に対する心臓の修復手術であり、長期経過でFontan associated liver disease (FALD)と肝細胞癌 (HCC)を含む肝腫瘍を合併する。線維化の程度の把握に難渋するため、非侵襲的なマーカーの検討が急務である。今回我々は、1.肝生検組織結果で得られた肝線維化の程度と各種血清線維化マーカー及び線維化スコアリングシステムを対比し、線維化を評価する最適なマーカーを同定する。2.血液検査値、心エコー検査、心臓カテーテル検査値を肝硬変例およびHCC例で検討し、肝線維化進行ならびに肝発癌リスク因子を同定することを目的として研究を行う。
|
研究成果の概要 |
154人のFALDのうち、肝癌(HCC)は、15人(9.7%)に診断されました (年齢の中央値34歳)。FALD-HCC患者は、多脾症と食道静脈瘤の発生率が高率で、ヒアルロン酸(HA, p = 0.04)とFIB-4 index(p = 0.02)、総ビリルビン値(T-BIL, p = 0.07)、末期肝疾患モデルスコア (MELD-XI, p = 0.06)は高値でした。T-BIL値≧2.2mg/dL、HA値≧55.5ng/mL、MELD-XIスコア≧18.7の患者はHCCのリスクが高く、予後不良でした。多脾症の合併とMELD-XI高値がFALD-HCCの独立リスク因子でした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多脾の合併とMELD-XIスコア高値例は、FALD患者においてHCC発症と死亡を予測する可能性があると考えられ、FALDの非侵襲的な肝線維化マーカーを用いて、肝腫瘍発症のリスク患者の絞り込みが可能となると考えられます。また、中心静脈圧を下げるなどの治療介入により肝疾患の進行や肝発癌が抑止できるか、今後さらに検討する必要があります。
|