研究課題/領域番号 |
20K17041
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
神崎 洋彰 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (10835086)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / マルチチロシンキナーゼ阻害薬 / FGF19-FGFR4シグナル / 薬剤耐性 / マルチチロシンキナーゼ阻害薬 / FGF19 / FGFR4 / VEGF / 耐性 / HCC / MKI / 分子標的薬 |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞癌(HCC)は、予後不良の癌腫である。様々な分子標的薬が臨床応用されているが、生命予後の改善のためには、腫瘍と薬剤、それぞれの分子生物学的理解が重要である。本研究では、分子標的薬の重要な標的経路の一つであるFGF19とFGFR4に注目し、肝細胞癌におけるFGF19・FGFR4シグナルの重要性、分子標的薬の治療効果や耐性変化への関係性を解析する。また申請者は血清FGF19のHCC新規腫瘍マーカーとしての有用性を見出しており、本研究において、FGF19・FGFR4シグナルを中心とした新たな治療戦略を提示するとともに、血清FGF19を用いた適切な薬剤の選択方法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
レンバチニブは、ソラフェニブと比較して、肝癌細胞株におけるFGF19-FGFR4シグナルを強く抑制した。ソラフェニブ投与患者における投与前血清FGF19高値群は、低値群に比較して有意に予後が短かった。ソラフェニブ耐性細胞株ではFGF19分泌能が上昇し、FGF19-FGFR4シグナルも増強していた。ソラフェニブ投与後の血清FGF19は治療前と比較して上昇していた。レンバチニブ耐性細胞株ではVEGF分泌能および血管新生能が上昇していたが、カボザンチニブにより増強した血管新生は抑制された。さらにはレンバチニブ投与後の血清VEGFは治療前と比較して上昇しており、VEGF-A遺伝子発現も上昇していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
FGF19-FGFR4シグナルの強力な阻害は、マルチチロシンキナーゼ阻害薬による抗腫瘍効果に重要である。また血清FGF19濃度は、ソラフェニブ投与患者における治療効果予測、生存予測のマーカーとして機能する可能性がある。ソラフェニブ耐性獲得後はFGF19-FGFR4シグナル阻害が耐性克服に重要で、レンバチニブ耐性獲得後はより強力なVEGFシグナル阻害が耐性克服に重要である可能性がある。これらにより、進行肝細胞癌患者に対するマルチチロシンキナーゼ阻害薬の使用する順番に根拠をもたらす可能性がある。
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