研究課題/領域番号 |
20K17042
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
姫野 美沙緒 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80706416)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | B型肝炎ウイルス / レポーターアッセイ / 肝硬変 / 肝星細胞 / 薬剤スクリーニング / B型肝炎ウイルス(HBV) / 静止期星細胞 / レポーターウイルス / 抗ウイルス薬 / レポーター / 抗HBV薬 / 抗HBV薬スクリーニング / 肝非実質細胞 / iPS細胞 / 三次元培養 |
研究開始時の研究の概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)感染症は治療法の開発が急務である。現在広く研究に用いられているHBV感染系は、HBV複製レベルの定量に細胞の溶解等を必要とする。その操作は煩雑で細胞を経時的に観察することも出来ない。本研究ではHBVのゲノム内に低分子量蛍光活性化タンパク質(Y-FAST)を導入し、HBV感染細胞を蛍光により観察可能なシステムを開発する。感染細胞を簡便に分離可能で、細胞を溶解することなく経時的に観察できる。これは簡便な抗HBV薬評価システムとなり、また、細胞共培養や組織を用いた感染系でHBV複製と炎症との関連を解明可能な方法となり得るため、抗HBV薬の開発やHBVの病態解明に有用である。
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研究成果の概要 |
本研究は蛍光活性化タンパク質(Y-FAST)を有する組換えB型肝炎ウイルス(HBV)を作製し、それを用いたウイルスの病態解析や薬剤スクリーニングへの応用を目的とした。本研究において、HBVにY-FASTを挿入した組換えウイルスを作製することに成功した。ウイルスを複製した細胞の培養上清を回収し密度勾配遠心法にて成熟ウイルス粒子であるDane粒子を分離したところ野生型ウイルスと同じ画分に分離され、ウイルス粒子が形成されていることを確認した。しかし感染細胞を効率よく検出するためには複製レベルの亢進が必要であることがわかった。肝硬変モデルや薬剤スクリーニングへの応用を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現行のHBV複製系ではウイルスを検出するために、細胞の固定や溶解が必要である。本研究で用いた蛍光活性化タンパク質は細胞に毒性のない細胞透過性蛍光活性化試薬の添加によって検出可能であるため、HBV複製を経時的に観察可能な新規の手法を提供する。HBV感染症は現在ワクチンが存在するものの、ウイルスを完全に排除する治療法がなく、また治療後の再活性化と肝硬変・肝細胞がんが問題となっている。本研究が応用されれば、大規模な新規治療薬のスクリーニングや、治療後再活性化と肝硬変を再現するモデルとなり得るため、治療薬開発という社会的意義と、病態解明という学術的意義がある。
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