研究課題/領域番号 |
20K17043
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
横尾 健 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (80750629)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ccndbp1 / chk1 / chk2 / DNA損傷チェックポイント |
研究開始時の研究の概要 |
CCNDBP1は肝発癌との関連が報告されている。申請者はCCNDBP1がDNA損傷チェックポイント機構の制御因子として機能し肝発癌に関与すると推測した。本研究では、in vitro、ex vivo、 in vivoでCRISPR/Cas9システムを用いてChk1、Chk2をノックアウト(KO)し、 DNA損傷CP機構関連遺伝子群の発現変化と肝発癌の検証を行う。DNA損傷CP機構は肝発癌発生過程のドライバー遺伝子のひとつであり、CCNDBP1関連の発癌メカニズム解明により早期診断・治療効果予測のバイオマーカー発見や新規肝癌治療薬開発への寄与が期待される。
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研究実績の概要 |
昨年度は、マウス肝細胞由来のcell lineであるAML12に対して、RNPをトランスフェクトすることでchk1とchk2を相同組換え修復(Puromycin耐性遺伝子を挿入)を利用してノックアウトし、Puromycinによるセレクションの後に解析することを試みたが、遺伝子改変効率が低く解析に難渋したため、当初の目標であった遺伝子改変細胞を免疫不全マウスに移植することは断念する方針とした。一方で、昨年度実績報告書作成に並行して、sgRNAの設計の見直し、トランスフェクション試薬や暴露時間の変更、SCR7添加、Puromycinの濃度設定などの実験条件の再検討を行っていたところ、遺伝子改変効率を改善することに成功した。その結果、コントロールとしてalbをターゲットとした場合には、Puromycin耐性コロニーを容易に確認することが可能となった。同コロニー由来の細胞からmRNAを抽出し、qPCRを行うとalbの転写が有意に低下していることも確認可能であった。ところが、chk1をターゲットとした場合は極端に生存細胞が少なく、Puromycin耐性コロニーの形成は認めなかった。同様にin vivo実験として、マウス肝に対してAAV8ベクターを用いてchk1ターゲットのsgRNAならびにcas9のcDNAを導入した場合にも、回収した肝サンプル内にKO後の細胞を検出することができなかった。十分な量の遺伝子改変細胞を採取することが不可能であったため、詳細な解析には至っていないが、ここまでの結果からはマウス肝細胞においてchk1が細胞生存に必須の因子である可能性が示唆された。現在、chk1をターゲットとしたヒト肝癌由来のcell lineでの検証、ならびにchk2をターゲットとした検証を継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度の結果を受けて、免疫不全マウスへの細胞移植を断念し、遺伝子改変細胞株ならびに遺伝子改変マウスを中心とした解析に計画を修正した。修正後の計画の中では、概ね予定通りに解析を進めているが1年の延長を加味して、やや遅れている、とした。
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今後の研究の推進方策 |
マウス肝細胞でのchk1 KOの結果をもとに、ヒト肝癌由来のcell lineでの検証とchk2 KOの検証を行い、ccndbp1とDNA損傷チェックポイント(CP) 機構の肝発癌における関連性を解析していく予定である。
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