研究課題/領域番号 |
20K17046
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
澤田 つな騎 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10831315)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | GI-irAE / 粘膜関連細菌叢 / irAE腸炎 / 腸内細菌叢 / 腸管分泌型IgA抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬による有害事象(irAE)は治療継続の可否にも関わることから重大な問題である。irAE腸炎の発症と、腸内細菌叢との関連が注目されている。この関連を検討するに当たり、腸管分泌型IgA抗体と粘膜関連細菌叢に着目した。腸管分泌型IgA抗体はPD-1の発現と関連して細菌への親和性が変化し、PD-1を遮断すると親和性が低下し、dysbiosisをもたらすと考えられる。また、粘膜関連細菌叢は腸粘膜と直接クロストークすることで糞便細菌叢よりも病態に直結する情報を含むと考えられる。この研究は、irAEの発症と腸内細菌叢、およびIgA腸管免疫との関連を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
GI-irAEのReal world dataを取得するために、名古屋大学医学部附属病院における臨床像を検討した。GI-irAEを発症後に、ICIをそのまま投与継続またはGIirAE改善後にICI投与を再開した投与継続群とGI-irAE発症後に永続的にICIを中止した投与中止群に分類し予後を検討し、悪性黒色腫では、投与継続群とその他(投与中止群、非発症群)とで比較すると、投与継続群でOSの有意な延長を認めることを英文誌に報告した。粘膜関連細菌叢の手技を確立するために、採取方法を検討した。GI-irAE症例の発症例が少なく、病態が類似しているとされる潰瘍性大腸炎症例において当院IRB承認のもと検体採取を行って検討した。胆管生検用ブラシ鉗子、ポリペクトミー用スネア鉗子、病変回収用ネット鉗子を用いて、大腸粘膜に付着した粘液を回収して解析した。DNA抽出はDNeasyPowerSoil Kit(Qiagen、Hilden、Germany)を使用してDNAを単離した。ブラシ鉗子で回収した検体から最も単離できるDNA量が豊富であることが判明した。DNAはユニバーサルプライマーを使用し細菌の16sRNAV3-4領域をターゲットにして増幅し、AMPure XP磁気精製ビーズ(BeckmanCoulter、Brea、CA、USA)を使用して精製した。2回目のPCRサイクルを通じてバーコードを付し、産物をプールしてシーケンスライブラリを構築し、IlluminaMiSeqシーケンサーを使用してシーケンスした。これらの手技により大腸粘膜関連細菌叢の解析手技を確立した。ICI投与患者においての検討を行う研究のための当院IRBの承認を得て、検体収集中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
FACSを用いてIgAコーティングされた細菌を分離したIgA-Seqを検討していたが、細菌による機械の汚染のおそれから、当研究施設の使用許可が下りなかったため、検討が行えず予定より遅れることとなった。ディスポ―ザルの回路を用いる他施設のフローサイトメーターの使用も検討したが、予算の都合がつかなかったため、磁気細胞分離法を検討していたが、手技が確立できていない。
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今後の研究の推進方策 |
磁気細胞分離法の手技確立を目指す
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