研究課題/領域番号 |
20K17060
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 麻布大学 (2022-2023) 自治医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
佐藤 祐介 麻布大学, 獣医学部, 講師 (20757265)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | クローン病 / バクテリオファージ / ファージセラピー / 細菌叢 / 難病 / 炎症性腸疾患 / 合成生物学 / CRISPR/Cas |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの腸管内には数百兆個の細菌が棲みつき、複雑なコミュニティ(細菌叢)を形成している。この細菌叢が健康の維持に関連していることが明らかになるとともに、細菌叢の健全化とその維持に関する試みが始まっている。しかし、既報の技術には未だ多くの障壁が存在している。そこで、この研究では、これまでの方法とは異なる新しい技術開発研究を行う。具体的には菌に感染するウイルス(バクテリオファージ)に着目し、これを改変した新しい製剤を合成する。そして、菌特異的に感染するバクテリオファージの性質から、本製剤が動物に副作用を与えず細菌叢中の悪玉菌を特異的に除去し、細菌叢健全化できることを検証する。
|
研究成果の概要 |
クローン病(CD)は指定難病の一つであり、消化管の慢性的な炎症を特徴とする炎症性腸疾患でである。発症には細菌叢の破綻が関与しており、特にAIECが関連しているとされている。しかし、治療ガイドラインには細菌叢を対象とした治療指針は含まれていない。申請者は、細菌叢中からバクテリオファージを用いて、AIECを除去することで疾病治療が可能と考えた。実際にマウスを用いた実験でAIECの除去と病態改善を証明するとともに、AIEC特異的遺伝子に対するCRISPRの標的指向性を解析した。以上のことから細菌叢を標的とした合成ファージ療法に関する成果を得ることができ、クローン病の新しい治療法の道筋を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒト腸管には細菌が棲みついおり、健康維持に重要である。しかし、この細菌叢が乱れると病気の原因となる。治療のために細菌叢を正常化する方法が注目されているが、既存の手法には確実性などの問題があり、臨床への展開が遅れている。この研究では細菌叢中に微量ながら存在するが他の細菌を支配し、細菌叢を破綻状態に追い込む種に着目した。この原因菌を細菌のウイルスであるバクテリオファージを用いて特異的に除去することで細菌叢を正常化し、難病モデルにおいて治療効果があることを確認した。
|