研究課題/領域番号 |
20K17066
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
富山 尚 関西医科大学, 医学部, 講師 (50411541)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / 大腸癌 / 制御性T細胞 / HSC70 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①大腸癌の細胞外小胞(Extracellular Vesicles;EVs)による腫瘍免疫の変化、②それに付随する大腸癌EVsによる転移性大腸癌マウスの予後の変化、③その変化を及ぼす投与方法を明らかにする。 大腸癌細胞株Colon-26を経尾静脈的に移入することで大腸癌転移性肺腫瘍マウスを作製する。それらの転移性肺腫瘍マウスに大腸癌EVsを経静脈的、腹腔内、抗原提示細胞への免疫後にその細胞の再移入する方法で投与し、大腸癌EVsが免疫細胞におよぼす免疫学的変化を免疫抑制系遺伝子の発現および腫瘍免疫抑制機能に着目して研究する。
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研究成果の概要 |
大腸癌転移性肺腫瘍モデルマウスに大腸癌細胞株由来の細胞外小胞(extracellular vesicles;EVs)10μg蛋白質相当を隔日で経静脈的投与したところ、PBSを投与した群と比べ有意に腫瘍増大を抑制した。また、大腸癌EVsを投与した群では、PBSを投与した群に比べて肺腫瘍周囲の制御性T細胞(Treg)の割合やGITR、PD-1、CD69などのTregの抑制機能にかかわる表面マーカーの減少がみられた。このTregフェノタイプの抑制は肺扁平上皮癌由来のEVsの投与でもみられた。質量解析では大腸癌細胞株由来EVsと肺扁平上皮癌細胞株由来EVsに共通する蛋白質としてHSC70が同定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで報告されてきた研究では腫瘍由来EVsは宿主の腫瘍免疫の抑制、転移の促進などなど腫瘍増殖を正に制御することが報告されてきたが、本研究からは腫瘍由来EVsには腫瘍増殖を抑制する要素も含まれていることが示唆された。ただしこの結果は、腫瘍由来EVsを多量に投与したことから、本来のEVsがもたらす腫瘍増殖にかかわる効果をワクチン効果が凌駕したことによっておこったと推測している。本研究は、今後EVsを使用した今後の新たな治療法の開発の一助となると思われる。上記研究結果を、学会報告し、現在論文査読中である。
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