研究課題/領域番号 |
20K17075
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
足立 史郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (60782430)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 肺高血圧症 / 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 急性肺塞栓 / 抗凝固療法 / 肺塞栓後症候群 / 肺血管拡張薬 / 重症度評価 / 予後指標 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に肺動脈形成術(BPA)の治療ゴールを決定することを目的とした研究である。このため、まずCTEPHの重症度評価スケールを作成する。このスケールには画像における肺動脈の閉塞状態をスコア化したものを用いる。そのスケールがBPAによる血行動態の改善とどのような関係があるかを検証し、BPAのゴールになり得るかどうかを評価する。
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研究成果の概要 |
肺動脈末梢の血栓を視認しやすくしたCT撮像方法を用いることで急性肺塞栓後の血栓の残存は74%であることが分かった。急性肺塞栓後1か月後の血栓残存がリスク因子であり、血栓が残存する患者群はフォローを慎重にしていくことが重要であることが分かった。慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)への移行は3.8%であった。さらにCTEPHの診断時の血栓の量は重症度とは関係がないが、肺血管拡張薬やカテーテル治療の治療効果判定に有用であることが分かった。また、血栓量が少ないということは相対的に肺動脈の変性が進んでいる可能性があり、そのようなグループではカテーテル治療よりも肺血管拡張薬が有用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性肺塞栓後、血栓残存の頻度は明確ではないが本研究により明確になった。さらに発症1か月後の血栓の残存が1年後の血栓残存のリスクであり、急性肺塞栓後の具体的なフォローアップの方法が明確になる可能性がある。また抗凝固継続の可否の重要な判断にもなりえる。また肺塞栓後症候群の最重症型であるCTEPHの治療効果判定を診断時の血栓量で予測できる可能性がある。薬剤治療とカテーテル治療の使い分けはまだ明確ではないが血栓量により血栓の問題か血管の変性の問題かを予測することでどちらの治療がより効果的かを判断できる可能性がある。これによりカテーテルと薬物治療をより明確に使い分けることできる。
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