研究課題/領域番号 |
20K17081
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
長尾 学 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (70866029)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | グルタミノリシス / 心筋代謝 / 糖尿病性心筋症 / 心不全 / 心筋代謝リモデリング / グルタミン代謝 / 心臓リモデリング / 2型糖尿病 / グルタミン |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病患者の心不全発症リスクは、非糖尿病患者に比べ、男性で2倍、女性で5倍を超えると報告されており、2型糖尿病に限れば、75歳未満では心不全のリスクは約3倍、75歳~84歳では2倍となるという報告もある。2型糖尿病と心不全は密接な関係にあり、合併した場合は予後を相加的に増悪させる。今後さらに、超高齢化社会へと向かう我が国において、糖尿病、心不全はますますの増加が見込まれるており、これら2大疾病に関わる糖尿病性心筋症に対する新たな診断法・治療法の構築は、個々の患者の予後・QOLの改善のみならず、医療経済の観点からも多大な恩恵をもたらすことが予測され、極めて重要な課題である。
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研究成果の概要 |
グルタミンは血中に最も豊富に存在するアミノ酸で“グルタミノリシス”と呼ばれる代謝経路を通して、生体の主要なエネルギー産生系であるTCAサイクルへ、α-ケトグルタル酸を補填している。本研究ではAdipo-PDK1KOマウスをモデル動物として用い、糖尿病性心筋症におけるグルタミノリシスの制御機構の解明を試みた。同マウスは心肥大と心筋インスリン抵抗性を示し、心臓組織中のグルタミンおよびその代謝物は、野生型マウスに比し、有意に増加していた。一方、グルタミンの安定同位体を用いた実験からは心臓におけるグルタミン利用の亢進は認めず、グルタミノリシスの薬理的阻害は心肥大を改善しなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞は、グルタミンをエネルギー源としてのみでなく、細胞増殖に必要な核酸やタンパク質合成のための炭素・窒素の供給源として利用するため、グルタミンに強く依存することがわかっている。一方、インスリン抵抗性により、糖利用が障害された心筋におけるグルタミン代謝機構や役割については不明である。本研究では糖尿病性心筋症におけるグルタミン代謝機構を解明することで、糖尿病を基盤とした心不全の新たなバイオマーカーや治療法の開発を試みた。予想に反し、グルタミンの同病態への直接的な関与は証明できなかったが、心筋代謝に注目した研究は来るべき心不全パンデミックの抑止に繋がる可能性を持つ、意義深い研究であると考える。
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