研究課題/領域番号 |
20K17086
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
香月 俊輔 九州大学, 大学病院, 助教 (60641016)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 心筋梗塞 / 心筋組織修復 / 炎症 / 単球 / ワクチン / オミクス / 心臓組織修復 / 左室リモデリング / マクロファージ |
研究開始時の研究の概要 |
心血管病なかでも最も重篤な病態である急性心筋梗塞後の心不全患者の増加は未解決の医学的課題である。本研究では未だ明らかになっていない左室リモデリングにおける修復性単球の心臓組織修復機序の解明を目的とする。炎症性単球と修復性単球を蛍光標識したRed-greenマウスを用いて、両単球と左室リモデリングの空間的/時間的関係を検証し、抗炎症単球ワクチンを用いて梗塞発症早期に心筋に集積する炎症性単球を除去することにより、修復性単球の梗塞後心筋への集積に先行する急性炎症の役割を解明する。心筋の修復性単球を用いたトランスクリプトミクスにより心臓組織修復において活性化されるパスウェイを網羅的に解析する。
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研究成果の概要 |
急性心筋梗塞後の心不全患者の増加は未解決の医学的課題である。我々はLy-6Cワクチンを用いた炎症性単球の除去により、左室リモデリングにおける修復性単球の心臓組織修復機序解明を計画した。Red-greenマウスの心筋梗塞後、3日目にRFP陽性のCCR2陽性単球が、7日目にGFP陽性のCX3CR1陽性単球が虚血心筋に集積することを確認した。炎症性単球の除去のため血中にLy-6C抗体を誘導するLy-6Cワクチンを開発し、Ly-6C抗体の産生を確認した。Ly-6Cワクチンの投与により末梢血Ly-6C単球の減少傾向が示された。本研究を基盤として、修復性単球の梗塞後心筋への集積機構を解明する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心筋梗塞後の急性炎症に反応して修復性単球による炎症の収束と心臓組織修復(心筋細胞の脱落にともなう線維化)が進行するが、その過程の詳細は明らかではない。不十分な心臓組織修復は、心破裂や左室リモデリングによる心不全を誘導し、生命予後及び生活の質を著しく損なう。現状はアンギオテンシン系阻害薬やβ遮断薬などの対症的治療しかなく、心臓組織修復の新規治療法の開発にはその分子細胞機序の解明が急務である。これまで有効な薬剤や低侵襲医療のなかった領域に対する革新的治療戦略の創出へとつながれば、科学研究上のインパクトや社会への貢献度は極めて高い。
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