研究課題/領域番号 |
20K17092
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
片山 陽介 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (10714214)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 心筋梗塞 / コレステロール結晶 / 微小循環障害 / 急性心筋梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
コレステロール結晶が心筋梗塞発症のトリガーであることが明らかとなり、世界的に注目されている。コレステロール結晶には、針状、板状、凝集状の形態が存在し、炎症惹起性や力学的応力などが大きく異なる。そのため三次元構造の差異は、病態に影響を及ぼしていると示唆されている。本研究の目的は、高解像度三次元光干渉断層法(HR-3D-OCT)を開発し、コレステロール結晶の三次元構造と病態との関係を明らかにする事である。本研究は、新たな心筋梗塞の発症予測法開発に繋がるため、国民の健康増進に貢献すると考えられる。
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研究実績の概要 |
近年、我々の生体内イメージングを用いた研究により、動脈硬化病変に存在するコレステロール結晶が心筋梗塞発症のトリガーであることが明らかとなり世界的に注目されている。コレステロール結晶には、針状、板状、凝集状の形態が存在し、炎症惹起性や力学的応力などが異なる。そのため三次元構造の差異は、病態に影響を及ぼしていると示唆されている。しかし結晶の三次元構造を生体内で可視化する機器は存在せず病態との関係は不明である。本研究の目的は、高解像度光干渉断層法(HR-OCT)を用いて、動脈硬化病変におけるコレステロール結晶の三次元構造と病態との関係を明らかにする事である。本研究により冠動脈内コレステロール結晶が、冠動脈治療に伴い冠動脈内に遊離することでno-reflow現象を引き起こし、心筋梗塞の梗塞範囲を拡大させる可能性を示した。コレステロール結晶遊離による梗塞範囲の拡大は心筋梗塞患者の予後の悪化に影響を及ぼすと考えられる。これにより心筋梗塞の新たな治療ターゲットとして微小循環に注目することとなった。本研究を発展させることにより、心筋梗塞発生に伴うコレステロール結晶を含む血栓の遊離によって生じる微小循環障害に対する超音波を用いた新規治療方法を着想した。本研究のこれまでの実績と新規治療方法のアイデアが評価され、オーストラリア州政府より研究資金を獲得するに至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コレステロール結晶に関する研究に一区切りがつき、新たな治療ターゲットの仮説が見出されたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を発展させ、心筋梗塞発生に伴うコレステロール結晶を含む血栓の遊離によって生じる微小循環障害に対する治療を検討する。そのため、オーストラリアのシドニー大学の根岸教授と国際共同研究を企画し、2024年度に開始が予定されている。
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