研究課題/領域番号 |
20K17101
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
山本 真衣 久留米大学, 医学部, 助教 (90830026)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | IL-22 / 左室拡張障害 / 心肥大 / STAT3 / HFpEF / IL-22結合タンパク / STAT3活性化サイトカイン / IL-22 binding protein / IL-22BP |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では左室駆出率が保たれた拡張障害に伴う心不全(HFpEF;Heart failure with preserved ejection fraction)が増加している。しかし予後改善につながる有効な治療法が確立されておらず、その確立は急務である。本研究では、HFpEFの病態の基盤にある左室拡張障害に着目し、STAT3活性化サイトカインであるインターロイキン22(IL-22)およびIL-22の強力な内因性阻害物質であるIL-22結合タンパク(IL-22BP)の左室拡張障害の病態における役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究ではAngiotensinII (AngII)負荷による左室拡張障害モデルを使用して、左室拡張障害の病態におけるインターロイキン22(IL-22)およびその内因性阻害物質であるIL-22結合タンパク(IL-22BP)の役割を調べた。WTマウスへのAngII負荷により血中IL-22濃度が増加し、心室のIL-22受容体発現が増加した。IL-22KOマウスではAngII負荷による心重量/体重比の増加および心室壁肥厚、左室拡張能低下が抑制されたことからIL-22が心肥大および左室拡張障害の増悪因子であると考えられる。一方でIL-22BP欠損はAngII負荷による左室拡張障害に影響を与えなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢社会に突入した我が国では、高齢者心不全の爆発的な増加に直面している。中でも左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF; Heart failure with preserved ejection fraction)は高齢者に多く、その割合が急増しているが、HFpEFの予後改善につながる確固たる治療法は確立されていない。本研究により、IL-22が心室リモデリングやHFpEFの重要な病態である左室拡張障害を起こすことが示された。IL-22による左室拡張障害増悪メカニズムが解明されることで、HFpEFの予防や予後改善につながる新たな治療戦略発展に役立つと期待できる。
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