研究課題/領域番号 |
20K17110
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
野村 章洋 金沢大学, 融合科学系, 准教授 (30707542)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 肥大型心筋症 / 多遺伝子リスクスコア / バイオインフォマティクス / 次世代シークエンサー / 心エコー検査 / 心室中隔壁厚 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、従来からの単一遺伝子変異の検索では原因が同定されなかった肥大型心筋症(HCM)患者に対して、多数の遺伝子変異が組み合わさることで発症する”多因子遺伝形式タイプ(Polygenic HCM)”の探索と解明を目的とする。また、Polygenic HCMの疾患頻度、ならびに単一遺伝子変異を原因とする単一遺伝形式タイプ(Monogenic HCM)と比較して、どのような臨床的特徴を有するかを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
今回、従来からの単一遺伝子変異の検索では原因が同定されなかった肥大型心筋症(HCM)患者に対して、心室中隔壁厚(IVS)に対する多遺伝子リスクスコア(PRS-IVS)の観点から多遺伝子が合わさることで発症するタイプのHCMの探索を行った。まず、PRS-IVSの導出方法を樹立した。続いて、対照群と比較して、原因変異保有HCM群、原因変異非保有HCM群はいずれも有意にPRS-IVSは高値であることを示した。一方、HCM患者において原因保有群と原因非保有群間でのPRS-IVSに有意な差はみられなかった。さらにPRS-IVSと各群のIVS実測値との相関もみられなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、肥大型心筋症(HCM)の臨床的診断基準に用いられている心室中隔壁厚(IVS)に対する多遺伝子リスクスコア(PRS-IVS)を、日本人の公開ゲノム解析データ(BioBank Japan)を用いて計算する方法を確立した。また、非HCM患者(対照群)に対して、HCM群は原因遺伝子変異の有無に関わらずPRS-IVSが有意に高値であることを初めて明らかにした。今後も、多数の遺伝子が関与してHCMの形態学的特徴を呈しうる患者の同定、ならびにその疾患機序の解明に向け、さらなる研究が必要である。
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