研究課題/領域番号 |
20K17119
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
末冨 建 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40749842)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | カルモジュリンキナーゼ / 心不全 / 自然炎症 / インフラマソーム / リモデリング / カルモジュリン依存キナーゼ / 線維化 / マクロファージ / HFpEF / 左室拡張能 / 細胞外小胞 / 炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全の治療法は大半が対症療法であり、病態に根本的にアプローチする治療が求められている。最近の臨床試験の結果から、心機能低下に炎症が関与していることが再び注目されている。心負荷に伴う炎症がどのように発生し伝わるのか長らく不明であったが、申請者らの最近の研究により、心筋細胞内のカルシウム・カルモジュリン依存性キナーゼ活性化に伴うインフラマソームの発生が起源となっていることが明らかになった。本研究ではこの知見をさらに発展させ、「心筋細胞におけるインフラマソーム発生」および「他の細胞へのシグナル拡散」を標的とした、新しい心不全治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
CaMKII臓器特異的遺伝子組み換えマウスでは慢性圧負荷モデルおよび2-hit theoryによるHFpEFモデルでの炎症反応および線維化シグナルが野生型と比較して有意に軽減し、慢性期の左室心筋リモデリングが抑制された。また、培養心筋細胞へのCaMKII遺伝子の過剰発現あるいはRNA干渉による発現抑制に伴うCaspase-1活性の変化や、培養液中の細胞外小胞の変化を解析したほか、非接触性共培養によるマクロファージへの影響を観察した。その結果、心筋細胞内のCaMKII由来のシグナルが細胞外小胞、IL-1β、IL-18等を介してマクロファージの反応を惹起していることが見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マクロファージ内CaMKIIδは慢性心負荷に伴う炎症反応、線維化および心機能低下に関与しており、心筋リモデリングにおける治療標的としての有用性が示唆された。マクロファージにおけるCaMKII-インフラマソームシグナル伝達解析を継続し、同部位を標的とすることで、従来の免疫抑制薬と異なる選択的な炎症抑制治療としての心不全治療への臨床応用を目指す。
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