研究課題/領域番号 |
20K17123
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
八重樫 大輝 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50866225)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | DNA損傷 / 小児がんサバイバー / がん治療関連心機能障害 / 心血管疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
小児がんの予後は近年の治療の進歩により劇的に改善したが、小児がんサバイバーの晩期合併症が問題となっている。その一つが心血管疾患であり、小児がんサバイバーは健常人に比して発症リスクが7-10倍も高いと言われている。しかし小児がんサバイバーの心血管系の機能や形態に関する知見は極めて乏しい。DNA損傷は抗がん剤や放射線によって生じ、細胞老化、炎症などを惹起する。 本研究ではDNA損傷/DNA損傷応答が小児がんサバイバーの晩期心血管疾患の成因として重要な役割を果たしているという仮説を検証するために、小児がんサバイバーの心血管機能を評価するとともに、末梢血単核球のDNA損傷を定量し、両者の関連を検討する。
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研究成果の概要 |
抗がん治療を受け治癒・寛解を得た小児がんサバイバー(CCS)から末梢血単核球を採取し、DNA損傷の指標として二動原体染色体 (DIC) をPNA-FISH法を用いて測定した。 対象のCCSの原疾患は白血病、骨肉腫、神経芽腫などであった。CCS群と健常群との間でDIC数に有意差は認められなかったが、CCS群においてDICが多い症例が目立った。CCS群においてDIC量はアントラサイクリンの累積投与量や放射線量と正の相関を認めた。さらにがん治療関連心筋障害を発症した群は、発症しなかった群と比較して有意にDICが多かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
小児がんの予後は近年劇的に改善しているが、その一方で小児がんサバイバー (CCS) の心血管イベントを含む晩期合併症が問題となっている。DNA損傷はがんや老化などとの関連が指摘されているが、CCSにおけるDNA損傷の臨床的意義は不明である。 本研究により、小児がんサバイバーにおいて抗がん治療のゲノムへの長期的影響をDICsにより推量し得ることが示唆された。抗がん剤などのgenotoxinに対する感受性には個人差が大きいため、DNA損傷の定量は小児がんサバイバーの長期フォローアップに際して有用なバイオマーカーとなり得る可能性がある。
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