研究課題/領域番号 |
20K17124
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
峯岸 慎太郎 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (80458398)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 電解質 / 電気的リモデリング / 心腎連関 / 体液恒常性 / DOCA / アッシング / カリウム / 不整脈 / SCN5A / Nedd4-2 / 高血圧 / 食塩 |
研究開始時の研究の概要 |
致死的不整脈への遺伝的要因の関与が指摘されており、心筋Naチャネルを構成するSCN5Aの変異は心臓電気的特性を決定する重要変異で、SCN5AはNedd4-2による翻訳後制御が知られている。 我々はNedd4-2の機能低下が食塩感受性高血圧発症に関与することを証明し、Nedd4-2には心臓の電気生理学的変化をもたらす基盤があり、重篤な心血管合併症発症にも関与する可能性を示した。 本研究では遺伝子改変動物を用いた不整脈モデル解析によりSCN5A-Nedd4-2系に着目した分子レベルの電気的リモデリングを解明することで致死的不整脈の病態を解明し、心臓突然死への有用な臓器保護作用を持つ薬剤の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
本申請の内容である、電気的リモデリングの分子生物学的解析に加えて、シンガポールのDuke-NUS Medical Schoolで研究を行い、Deoxycorticosterone acetate (DOCA) を負荷したマウスを使って、体液・電解質の代謝に影響を与えて、塩分摂取と無関係に生じる体液保持機構活性化を惹起して、血圧の変化をもたらすことを明らかにしている。 アルドステロン/ミネラルコルチコイド受容体(MR)系は陸生動物における強力な血圧制御機構であり、MRが活性化することにより、腎尿細管で尿中ナトリウムイオン(Na+)及び水分の再吸収が促進され、体液量が一定に保たれる。この体内Na+増加が「循環血液量」の増加と「高血圧」をもたらすという概念に対し、我々は、“高食塩摂取により様々な臓器が協調して機能し、腎臓のみならず、皮膚・肝臓・骨格筋などの内分泌・代謝連関によって体内の水分バランスが制御され、「末梢血管抵抗」が増加し「血圧が上昇する」”という革新的なコンセプトを提唱し、高血圧の成因研究を進めている。 日本高血圧学会 基礎研究推進部会メンバーとして高血圧研究を発展させ、日本高血圧学会 フューチャープラン委員会・ワーキンググループメンバーとしてOnco-Hypertensionという新たな診療・学術領域を展開している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、我々独自の新たな電解質・体液制御コンセプトに基づいて、MRの作用をカリウムイオン(K+)および水分喪失の観点から高血圧の病態を解明し、第29回国際高血圧学会で発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
現在本研究で得られた成果は論文投稿中である。引き続き、シンガポールのDuke-NUS Medical Schoolと連携し、態性高血圧成因・アルドステロン/MR系に関わる基礎および臨床研究を継続していく。
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