研究課題/領域番号 |
20K17126
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
上田 友哉 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80755538)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 心不全 / クリニカルシナリオ / BIA / CS / 急性心不全 / HFpEF / 体液貯留 / ABPM |
研究開始時の研究の概要 |
心不全はあらゆる循環器疾病の終末期像で、予後不良である。特に左室の収縮能が保持された心不全(HFpEF)は、収縮性が低下した心不全(HFrEF)と同等に予後不良であるが、治療法はおろか病態生理も不明である。心不全と血圧は強い関連があり、特に24時間の血圧測定を行うABPMを用いた研究では、夜間に血圧が上昇するRiser patternがHFpEFでのみ予後と関連しており、要因として体液量の影響が考えられている。このため本研究は体液量とABPMの結果を総合的に検討し、HFpEFの病態解明と治療の開発に結びつけることを目的としている。
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研究成果の概要 |
研究期間中はCOVID-19感染症のため入院制限があり、ABPMも施行困難であった。このため急性心不全のため入院し、入院時と退院時にbioelectrical impedance analysisが施行された、CS3を除く90名を対象とし、CS1群(38名)およびCS2群(52名)に分けて検討した。その結果、心エコー所見でLVEFは同等であったが、LA volumeはCS2群で有意に高値であった。利尿薬の増量度は両群間で差はなかった。入院時と退院時のECW/TBW比は、いずれも両群間で有意差はみられなかったが、入院時から退院時までのETC/TBW比の変化量はCS2群で有意な低下がみられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CS2群において認められた、入院中のECW/TBWの有意な低下は、体液貯留の改善を示唆する所見と考えられた。一般的にCS1は体液のセントラルシフトが主体で体液貯留は必ずしも認められないが、CS2は全身性の体液貯留が主体であるとされており、この概念とも矛盾していない。我々の知る限り、CSの体液バランスにおける概念を定量的に示したのは今回の報告が初めてである。 本研究にて、CS1とCS2の体液貯留量のバランスに差があることが確認された。このことは心不全患者への、より的確な治療法の選択に寄与すると考えられる。今後はABPMの結果も踏まえ、心不全の各タイプにおける体液バランスについての検討も重要である。
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