研究課題
若手研究
超高齢社会の本邦において循環器病の社会的負担は著しく大きい。その治療は薬物療法が中心となるが、併存疾患が多く、テイラーメードの薬物選択が必要とされる。本研究は申請者が発表してきた抗凝固療法を要する急性心筋梗塞の至適な薬物療法の知見をもとに、パラメータの一つ一つを解析する機械学習による認知コンピューティングを用い、急性心筋梗塞症例における心血管事故予防のための、複数にわたる内服薬、また投薬量、投薬期間を至適に選択することを可能とする薬物治療選択支援ツールを開発する。循環器病に対する薬物療法の最適化を図り、そのツールに支援された医療と人間による従来の医療との比較から実臨床への応用の可能性を探る。
認知コンピューティング診療支援ツールを用いた診療が従来の人間による診療と代替なりえるか?という学術的な問いに対して令和4年度は、以下の成果を出した。1)令和3年度に2015年から2021年に当院入院もしくは通院されている患者のうちワルファリンを内服している患者を抽出し、その患者のうち1年以上ワルファリンを継続している患者を同定し、患者特徴を解析した。しかしながら、症例数の不足のため、令和4年度は2022年の患者の症例を登録した。2)引き続き、上記患者のワルファリン内服量、PT-INRの推移から現在ワルファリン量、投与期間を決定する人工知能による薬物療法認知コンピューティング診療支援ツールを開発している段階である。3)急性心筋梗塞患者の診療データからアンサンブル学習を用いた複数モデルの組み合わせにより、薬物療法を最適化するツール②を開発すべく、2015年から2022年に当院に入院した急性心筋梗塞患者のデータベースを作成した。4)作成している急性心筋梗塞の患者のデータベースから以下の症例報告、臨床研究論文を執筆した(後述)。
3: やや遅れている
予測したより大きな症例数(データベース)が必要のため
令和3年度からの遂行を継続する。1)認知コンピューティング診療支援ツールによるワルファリン投与ソフトによりサポートされた診療と従来の人間による診療との比較する臨床研究に取り掛かる。2)認知コンピューティングを用い、急性心筋梗塞患者の診療データからアンサンブル学習を用いた複数モデルの組み合わせにより、薬物療法を最適化するツール②を開発する。
すべて 2023 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件)
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