研究課題/領域番号 |
20K17140
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山本 昌良 筑波大学, 医学医療系, 講師 (20730386)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 心不全 / 心筋症 / 心エコー / 心臓超音波検査 / 心臓超音波 / 遺伝子 / 拡張型心筋症 / 人工知能 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性拡張型心筋症(DCM)の臨床像は多様性に富み、家族歴、病変進行のスピード、治療反応性、左室以外の心腔(右室、左房)病変の程度や広がり、さらには生命予後において個体差が大きい。DCMをより細分化した臨床亜型に分類できれば、より適切なタイミングで必要な治療を施すことができると考えた。そこで、さらに近年のDCM症例の遺伝子異常の臨床的活用研究と人工知能に注目し、遺伝子情報に高機能心エコー画像情報を含む統合臨床データベースを追加し、機械学習によりDCMを細分類する研究の着想に至った。本研究の成果は重症心不全診療おける将来のプレシジョン・メディシンの臨床的基盤情報となると期待される。
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研究成果の概要 |
合計123名の特発性心筋症患者に対して心筋症に関連した遺伝子解析を行った。また、包括的な心エコー図検査を行い、データベースの作成を行った。結果、123例中、40例(33%)の患者において心筋症の発症に関連すると考えられる遺伝子変異を認めた。内訳は、ラミンA/C遺伝子変異が16例、タイチン遺伝子変異が7例、それ以外の心筋症関連遺伝子変異が17例であった。タイチン遺伝子変異を伴う患者は登録時の左心機能は低下しているが、治療に対する良好な反応が認められた。ラミンA/C遺伝子変異を伴う患者は治療に対する左心機能の改善を認めず、右心拡大と三尖弁逆流の増悪を認め、右心不全の進行を来す可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心筋症における遺伝子診断は近年、国内外のガイドラインにも推奨されるようになり、その重要性が高まっている。一方で本邦においては心筋症の遺伝子診断は十分に普及しているとはいえず、そのデータも不足している。さらには各遺伝子変異毎の治療に対する反応性、特に右室機能や左房機能等の詳細な心エコー指標の変化との関連は十分な研究がなされていない。本研究は本邦における心筋症関連遺伝子変異の実態を示した。また、各遺伝子変異における治療に対する心機能の変化を示した。特に、右心機能に関して詳細な検討を行い、ラミン遺伝子変異を有する症例においては、左心機能のみならず右心機能も治療抵抗性であることを示した。
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