研究課題/領域番号 |
20K17144
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
諏訪 賢一郎 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60725282)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 4D flow MRI / 急性心筋梗塞 / 左室内血栓 |
研究開始時の研究の概要 |
心筋梗塞に伴う重大な合併症として左室内血栓症に伴う全身性塞栓症が挙げられる。 血栓形成には血流の緩慢が関わっているが、血流速度と左室内血栓の関係について詳細はわかっていない。我々は4D flow MRIを用いて心筋梗塞患者の急性期と遠隔期に血流動態を解析し、左室リモデリングや左室内血栓と血流動態との関係を明らかにする。最後に血流動態パラメーターを含めたリスク因子を組み合わせることにより、左室内血栓を予測するリスクスコアリングを確立する。左室内血栓の予測や抗凝固療法の必要性を判定することで、急性心筋梗塞後の患者マネージメントを改善することが期待できる。
|
研究実績の概要 |
これまで、計113例の急性心筋梗塞(急性期)に対し、4D flow MRIを含む心臓MRIを施行した。また59例において遠隔期の4D flow MRIを施行した。現時点では5例で左室内血栓を認めている。今後症例をさらに蓄積し、左室内血栓を生じた群と血栓を認めない群で4D flow MRIによる血行動態を比較する。 なお、本研究の基盤となる先行研究のなかで、4D flow MRIで計測した左室心尖部血流速度や左室サイズに対する相対的渦流サイズが左室内血栓に関与する可能性があることを解明した。このことより、左室心尖部血流速度や渦流サイズに関与するその他の因子について検討する。具体的には、NYHAや心不全に関与する身体所見、血液データ、心臓MRIパラメーター、心エコーパラメーター、薬物治療などのパラメーターについて検討する予定である。その中でも特に注目しているのがβ遮断薬の使用に関してである。先行論文のなかにβ遮断薬により左室内血栓形成の頻度が高くなるという報告があるため、詳細に検討する予定である。 今後遠隔期の4D flow MRIもさらに追加していくため、急性期と遠隔期の血行動態の変化についても検討する。これにより左室内血栓症に対する抗凝固療法の継続期間についての検討を加える。 最後に、左室内血栓の形成には血流速度以外にも炎症などの内皮障害や凝固因子等も関与するため、多因子を組み合わせた左室内血栓症発症リスクスコアを確立する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
左室内血栓を合併した症例は多くはないが、現在5名まで増加している。 この1年間で急性心筋梗塞の33名、遠隔期の22名を追加している。 引き続き左室内血栓の有無に注視していく。
|
今後の研究の推進方策 |
左室内血栓症例の蓄積が予想より少数であるため、より詳細な検討と症例の蓄積が必要である。 左室内血栓症の症例が少数であった場合、先行論文に基づき、左室内血行動態と血栓形成に関与する因子との関連についての検討を先行することも検討している。とくにリモデリング・リバースリモデリングの観察とともに血行動態の変化を観察することも検討課題の一つとして研究を進めていく。
|