研究課題/領域番号 |
20K17148
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
夜久 英憲 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (20844963)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 心不全 / バイオマーカー / 漢方薬 / 五苓散 |
研究開始時の研究の概要 |
虚血性心疾患の増加と高齢化などにより、心不全入院患者数は増え続けており、大きな問題となっている。そのような実臨床において、既存利尿薬のみでは電解質異常や場合によっていは脱水などを来すことも多い。そこで今回、五苓散という漢方薬に着目した。五苓散は古くから利水薬として用いられ、浮腫状態では利尿作用、脱水状態では抗利尿作用を発揮するとされており、電解質異常や脱水を来しにくいとされている。実際、動物実験では五苓散がアクアポリンを阻害することが近年分かっているが、それを人体で検証した研究はなく、本研究では、五苓散が人体でどのように作用しているかをバイオマーカーの観点から検討することを目的とする。
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研究実績の概要 |
心不全はあらゆる疾患のなかで最も再入院率が高いともいわれており、医療経済の面も含め、その改善が喫緊の課題である。そのために最も重要なことの一つ が、体液バランスをできる限り腎機能増悪や電解質異常等を来たすことなくコントールすることであるが、ループ利尿薬のみでは腎機能障害や神経体液性因子活 性化など弊害も少なくない。そのため、腎機能障害や電解質異常を来たしにくく、利尿効果のある比較的安価な薬剤が一つでも多くあることが切望されている。 五苓散は、古くから体液貯留に対して使用されてきた漢方薬であり、ループ利尿薬のような強制利尿ではなく、浮腫傾向にあるときに於いてのみ、血漿中の電解 質濃度に著明な影響を与えることなく尿量を増加させるが、脱水状態では尿量に影響を与えないとされている薬剤であり、これをうまく使用することでループ利 尿薬を減量できる可能性がある。ただ、薬理学的な機序については、アクアポリンを阻害するという報告があるが、まだ不明な点も多く、本研究ではうっ血性心 不全に対する五苓散の水分代謝調整メカニズムを検討する。 目標症例数は40例で、コロナ禍にてやや登録ペースが遅れているが、現在25例の登録が完了している。残り15例を予定しているが、2022年10月からノースウェスタン大学循環器内科への2年間の研究留学のため、一旦中断とし、また帰国後に継続予定である。
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