研究課題/領域番号 |
20K17164
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
齋藤 佑記 日本大学, 医学部, 助教 (10838494)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 臓器うっ血 / 超音波エラストグラフィー / うっ血肝 / 脾腫 / 心不全 / うっ血性心不全 / 超音波エラストグラフィー法 / 肝硬度 / 脾硬度 |
研究開始時の研究の概要 |
うっ血肝や脾腫といった臓器うっ血は、心不全の予後に強く関わる重要な因子だが、正確にその程度を評価できる方法は確立されていない。近年、超音波エラストグラフィー法が開発され、肝硬度や脾硬度を定量的に評価することが可能となった。しかし、心不全患者において肝硬度と脾硬度の両方を測定してその臨床的意義を検討した報告は過去にない。 本研究では、超音波エラストグラフィー法により測定した肝硬度、脾硬度と心不全患者の血行動態や心不全に伴う臓器のうっ血による臓器障害の重症度との関連を評価し、心不全診療において臨床的意義があるかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
この研究は、超音波エラストグラフィー法を用いた心不全における臓器うっ血の評価方法を確立することを目的として行われた。我々は心不全患者65例と急性心不全患者115例を対象として、心不全退院時に超音波エラストグラフィー法による脾硬度の測定を行った。その結果、超音波エラストグラフィー法による脾硬度が、右心カテーテル検査による右房圧と強く相関し、急性心不全の予後予測因子となることが分かった。この研究は、超音波エラストグラフィー法が心不全における臓器うっ血の評価に有用であることを示し、心臓と脾臓の連関であるcardio-splenic axisにも新しい知見をもたらすものと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、心不全患者において超音波エラストグラフィー法で測定された脾硬度と血行動態や予後との関連を調べたものである。研究1では、脾硬度が肺動脈楔入圧や肺動脈圧、右房圧と有意な相関関係を示し、特に右房圧と独立して関連が認められたことが明らかになった。研究2では、脾硬度が高い心不全症例は、より重度の心不全を示し、肝うっ血や右心不全を合併していることが示唆された。さらに、脾硬度は心不全の予後と強く関連しており、退院後のリスク層別化に有用であることが示された。本研究は、臓器うっ血の評価において脾硬度が有用であることを示し、心不全の治療や予後の予測に役立つ成果となっている。
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