研究課題/領域番号 |
20K17173
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高島 雄太 北海道大学, 大学病院, 助教 (90848764)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肺がん / パクリタキセル / DNA修復 / 非相同末端結合 / 細胞周期 / BET / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
BET阻害剤がDNA2本鎖切断(DSB)の修復を阻害することでDNA傷害活性をもつ様々な薬剤の効果を増強することは既に報告されているがその機序や関与遺伝子の詳細は不明である。また、BET阻害剤の最適な併用DNA傷害性薬剤も不明である。本研究は様々な条件下でDSB修復機構である相同組換え(HR)や非相同末端結合(NHEJ)の活性を評価し、その結果をもとにBET阻害によるDSB修復阻害の機序を明らかにすることを目指している。本研究の最終目的はBET阻害剤のDSB修復阻害能を利用した新たな肺癌治療の開発である。
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研究成果の概要 |
PTX耐性非小細肺がん細胞株H1299やPTX感受性非小細胞肺がん細胞株A549を用いて作成したPTX耐性株(A549-PR)にPTXを投与したところ、mitotic slippageが亢進しており、耐性機序としてmitotic slippageの関与が考えられた。これらの細胞株に対してPTXとNHEJ阻害効果のある薬剤を併用したところDNA2本鎖切断がより多く生じ、相乗的な抗腫瘍効果を認めた。NHEJ機構抑制はde novoのPTX耐性あるいはPTX獲得耐性を克服する手段となるかもしれない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非小細胞肺がんに対して使用されているPTXの耐性機序であるmitotic slippageによる細胞死の回避に対してDNA修復機構であるNHEJ機構の抑制が有効であることを示した初めての研究である。さらなる検討が必要だが、今後の肺癌治療の発展の一助となる可能性があると考える。
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