研究課題/領域番号 |
20K17183
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
小山 壱也 徳島大学, 病院, 特任助教 (90724089)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 肺線維症 / マクロファージ / TAS-115 / ニンテダニブ / チロシンキナーゼ阻害薬 |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症は進行性に肺間質が線維化する原因不明の予後不良な疾患である。我々は新規チロシンキナーゼ阻害薬TAS-115のマウス肺線維化モデルでの有効性について報告し(AJRCMB2019)、第Ⅱ相臨床試験において既存の抗線維化薬不応例において有効性がみられることを報告した(ERS2019)。本研究ではTAS-115に注目し①既存治療の治療標的と異なるTAS-115の抗線維化作用の解明、②他薬剤との併用によるTAS-115の有効性の検討を行い、最終的には臨床試験を介して既存の抗線維化薬不応例への後続治療や併用療法の臨床試験に結び付け、特発性肺線維症治療の向上を目指すものとする。
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研究成果の概要 |
新規抗線維化薬であるTAS-115のシリカ誘発性肺線維症マウスモデルにおけるマクロファージへの作用とそこからもたらされる抗線維化効果に注目し検討を行った。TAS-115はシリカ誘発性肺線維症モデルにおいてprofibrotic geneが高発現であるCD11b+CD11c+マクロファージ分画の増加を抑制した。しかし、TAS-115投与はシリカモデルにおいて統計学的有意でないものの肺線維化の増悪傾向をきたした。これらのことから線維症モデルにより線維化の機序が異なること、病態によってはprofibrotic macrophageの機能抑制が線維化増悪につながる可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TAS-115は第Ⅱ相試験にてニンテダニブを含む既存の抗線維化薬治療下で肺線維化進行例において有効性を示した。そのため本検討はTAS-115のニンテダニブよりも強いc-FMSリン酸化抑制作用に着目しシリカ肺線維症モデルにおけるマクロファージ活性抑制からその抗線維化作用を検討した。TAS-115はシリカ誘発性肺線維症モデルにおいて線維化に関連すると考えられるマクロファージの増加を抑制したが、肺線維症を改善しなかった。このことから肺の線維化が病態により多彩な機序を有していること、必ずしも線維化に関わるマクロファージの抑制が病的な線維化につながるわけではないことが示唆された。
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