研究課題/領域番号 |
20K17192
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
佐藤 崇 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (20464836)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エピゲノム / 肺癌 / super-enhancer / 肺大細胞神経内分泌癌 / 細胞系統因子 / 転写プログラム / 肺がん / 分化プログラム / 不均一性 / 肺大細胞神経内分泌がん / 可塑性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の抗癌治療の進歩にも関わらず、肺癌は依然本邦の癌死因第一位の予後不良な疾患である。肺癌患者に対する新たな治療戦略開発の礎となる、病態の理解に向けた革新的な研究戦略が求められている。これまでの研究により、癌の発生する臓器に特徴的なDNA結合因子が癌細胞の状態を制御し、その癌の振る舞いを規定することが示唆されている。研究代表者らは、最新のエピゲノム解析により肺扁平上皮癌において新規サブタイプを同定した。本研究では、これまで解析が困難であったホルマリン固定検体やオルガノイド検体を用いた解析を計画する。各種肺癌における個々の違いや治療耐性のメカニズムを検討し、個別化治療をを向上させることを目指す。
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研究成果の概要 |
肺癌の中でも高悪性度神経内分泌腫瘍はとりわけ予後不良である。本研究で我々はエピゲノムプロファイリングを用いて各種肺癌の多様性、特に神経内分泌要素を有する肺癌の神経内分泌分化の多様性を明らかにすることを目的とした。その結果、我々は神経内分泌要素を有する肺癌の異なる分化サブタイプを同定し、これらはこれまで報告された細胞系統転写因子の発現に基づいた分類と異なる可能性が考えられた。ASCL1とNKX2-1の高発現によって規定されるクラシカルな神経内分泌サブタイプは他のサブタイプと比較してより神経内分泌の特徴を有していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大規模な肺癌ゲノム研究によりシグナル伝達分子に数々の体性遺伝子異常が発見されてきたものの、主に肺腺癌に見つかる遺伝子変化を除けば標的治療の開発に結びついていない。一方、肺癌ゲノム研究を通じて癌細胞が細胞系統転写因子の規定する分化プログラムに依存していることも示されてきた。しかし、大多数の肺癌における分化プログラムを規定する分子機構は未だ見つかっておらず、特に肺癌の中でも予後不良である高悪性度神経内分泌腫瘍の分類と特徴付けは確立していなかった。本研究では肺癌における神経内分泌分化の多様性が既知の報告と異なるパターンであることが示唆され、今後肺癌細胞の可塑性と脆弱性の解明につながる可能性がある。
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