研究課題/領域番号 |
20K17199
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
猪俣 稔 日本医科大学, 大学院医学研究科, 研究生 (50465291)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 特発性肺線維症 / cell free DNA / C57BL/6マウス / ブレオマイシン |
研究開始時の研究の概要 |
特発性肺線維症 (Idiopathic pulmonary fibrosis:IPF) は進行肺癌と同様に予後不良である。診断のgold standardが外科的肺生検である事が早期診断を困難にし、延命効果の期待される抗線維化薬は効果判定が難しい。IPFの血漿中Cell-free DNA (cfDNA) は肺癌と同様に高値であると報告されているが、IPFにおける病態との関連は明らかになっていない。これらを解明することでIPFの早期診断や治療効果判定のバイオマーカーとしてのliquid biopsyの可能性を探索し、新規治療薬開発 (IPFのprecision medicine) に繋げたい。
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研究実績の概要 |
IPF診断のgold standardは外科的肺生検であるが、急性増悪などの重篤な合併症を惹起しうるため全例には施行できないことから早期診断が困難であり、外科的肺生検と比較し低侵襲で評価可能なliquid biopsyの探索が急務である。各種癌領域ではNGSを用いたliquid biopsyの解析が急速に進み、治療戦略の向上や予後改善に寄与している。IPFにおいても血漿中cfDNAが他のびまん性肺疾患患者よりも高値であることが報告されており、IPFの診断にcfDNAが有用である可能性が報告された。本研究では、実験的肺線維症マウス、IPF患者の血漿中、肺組織cfDNAの同定から機能解析までを行い、IPFの早期診断、治療バイオマーカー探索だけでなく、cfDNAが関与する肺線維化病態の機序解明を目的としている。Human foetal lung fibroblast(HFL-1)においてcfDNAの定量解析を行ったところ、TGF-β刺激によりcfDNAが上昇することが確認された。C57BL/6マウスを用いたBLM誘発肺線維症モデルマウスにおいて、末梢血よりcfDNAを定量し、バイオアナライザーを用いて解析を行ったところ、BLM群で160bp 付近にピークが見られた。A549とHFL-1からcfDNAを抽出し、cfDNAサイズの分布を解析するためバイオアナライザーで解析したところ160bp付近でピークが見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初の計画は主にコロナ禍の影響のため遅れている。 研究計画では、cfDNAをHFL-1に投与し細胞培養液中のα-SMA、collagen type IをRT-PCRで解析し、C57BL/6マウスに単離したcfDNAを経静脈的に再び投与することでcfDNAによるprofibrotic responseを解析する予定であったが、呼吸器内科医としての業務負担が増加したこととも併せて、研究の進捗が遅延した要因と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで同様、肺線維症モデルマウスでcfDNAの解析を進める。肺線維症モデルマウスの血清を用いてNGSによる解析を予定している。
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