研究課題/領域番号 |
20K17200
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
中道 真仁 日本医科大学, 医学部, 助教 (10837446)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 薬剤獲得耐性 / アポトーシス / 非小細胞肺癌 / 上皮成長因子受容体 / Foxo3a / FOXO3a / 肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
非小細胞肺癌の薬物療法の治療成績は分子標的薬に代表される新規薬物の登場により著しく改善してきたが、治療中に薬剤獲得耐性が必ず生じるため、根治は困難である。ミトコンドリア経路を介したアポトーシスにおいてはBCL-2ファミリータンパク質が重要な役割を果たすことが知られており、アポトーシス誘導因子BIMの転写因子であるFOXO3aが薬剤獲得耐性に重要な役割を果たす可能性が示唆されている。作成した各種薬剤耐性細胞株を用いて、FOXO3aとBIMに着目した遺伝子発現解析・タンパク発現解析等の詳細な機能解析を行い、ゼノグラフトマウスモデルと臨床検体で検証を加え、根治を目的とした新規薬物療法戦略を提案する。
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研究実績の概要 |
本研究は、薬剤獲得体制との関連性が明確でない「アポトーシス(細胞死)」に着目した新しい視点から薬剤獲得耐性の分子病態メカニズムを解明し、根治を目 指す新規薬物療法を開発することが目的である。 ミトコンドリア経路を介したアポトーシスにおいてBCL-2ファミリータンパク質が重要な役割を果たすことが知られている。 ステップワイズ法を用いてEGFR-TKI(オシメルチニブ)に対する非小細胞肺癌細胞株PC9とH1975の薬剤耐性細胞を作成し、Cell viability assayにて薬剤感受性・IC50を測定し、耐性化を確認した。親細胞株と作成した耐性細胞を用いて、ERK、FOXO3a、BIMを含むアポトーシス関連因子のウェスタンブロッ トによるタンパク質発現解析を行い、ERKによりリン酸化されたFOXO3aが核外(細胞質)へ移行してMDM2によるユビキチン化により分解され、FOXO3aの転写活性が 抑制されることで、 BIMの発現が低下し、アポトーシス抵抗性となることを確認した。FOXO3aの核外への移行は、蛍光タンパク質GFPをつけた各細胞の作成とDAPIにてDNAを含む核染色を行い、蛍光顕微鏡にて観察・撮影して確認した。FOXO3a siRNAとレンチウイルスベクターを用いてFOXO3aとBIMの遺伝子組み換え(ノックダウン、ノッ クアウト、 オーバーエクスプレッション発現)細胞を作成し、BIMとアポトーシスの変化を確認した。 治療候補薬剤として、Debrafenib、Trametinib、Bortezomibを使用して、薬剤感受性を測定し、新規薬物療法の候補薬剤を同定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19により、研究のovid-19による自粛期間等のため一時的に実験ができない状態があり、やや予定より遅れている。 1年の研究期間延長を行う。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、ゼノグラフトモデルマウスを用いた実験、臨床組織検体におけるアポトーシス調整因子の免疫染色と臨床情報効果の有効性のエンドポイント(特に生存)との相関についての検討を行い、学会発表、論文発表を行う予定である。
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