研究課題/領域番号 |
20K17208
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
京極 自彦 東北大学, 大学病院, 特任助手 (20849400)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 活性イオウ分子種(RSS) / 活性窒素種(RNS) / ACO / ステロイド抵抗性 / 喘息とCOPDのオーバーラップ / 活性窒素種 / パースルフィド / レドックス / バイオマーカー / HDAC2 / RSS |
研究開始時の研究の概要 |
喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO)は、それぞれの単独疾患に比べて予後不良の疾患であり、病態機序の解明および新規治療の創出が求められている。申請者は、ACO患者の気道では同等量の吸入ステロイド剤で治療されている喘息患者に比して有意に活性窒素種(RNS)の産生量が亢進し、新規の内因性還元分子である活性イオウ分子種(RSS)の産生量が低下していること、さらに気道の炎症性ケモカイン・サイトカインの産生が亢進していることを見出した。本研究ではRNSとRSSの生理機能に着目し、ACOの気道炎症メカニズムのさらなる解明と新規治療法の創出のための分子基盤を確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
健常者由来の肺組織・喀痰と比べACO患者ではRSS産生酵素陽性細胞率の低下、 NFκB増強、GR発現減弱、HDAC2の活性低下が認められた。更に、RSS産生酵素発現を低下させたBEAS-2B細胞では、NFκB発現増強、GR発現減弱、HDAC2の活性低下が認められた。現在、RNS産生モデルやステロイド前処理後のNFκB・GR発現、HDAC2活性の影響と抗炎症効果の変化や、RSS産生酵素を過剰発現させた場合のステロイド前処理後の抗炎症効果の程度を検討中である。RSSの産生低下は、NFκB発現増強、GR発現減弱、HDAC2の活性低下を介してステロイド抵抗性に関与している可能性が示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ACOは頻回の増悪・入院により医療コストがかかることが問題の一つであり、ステロイド抵抗性を改善させるような新規治療が望まれる。RSSの産生低下はNFκB発現増強、GR発現減弱、HDAC2の活性低下を介したステロイド抵抗性の基盤を成しており、RSSの外的投与によりこれを改善させる可能性がある。本検討はACOをはじめとするステロイド抵抗性を示す病態に対する新規治療薬の開発への基礎となると考えられる。
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