研究課題/領域番号 |
20K17210
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 昭和大学 (2023) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
清水 峻志 昭和大学, 医学部, 講師 (00792061)
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研究期間 (年度) |
2022-12-19 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 遺伝性肺動脈性肺高血圧症 / トラゾドン / 肺動脈性肺高血圧症 |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧症とは肺血管リモデリングにより肺血管抵抗が増大した指定難病である。既存のPAH治療薬の導入により非遺伝性PAHの予後は 大幅に改善されたが、BMPR2変異を伴う遺伝性PAHの予後は不良のままである。肺動脈平滑筋細胞(PASMCs)の細胞増殖抑制が遺伝性PAHの治療タ ーゲットと考えている。BMPR2変異PASMCsでは、小胞体ストレス応答の一つであるPERK-eIF2シグナリングが亢進する。抗うつ薬として上市され ているトラゾドンに上記阻害作用を既に認めている。そこで、本研究ではトラゾドンの構造展開を行い、リード化合物の探索を目指す。
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研究実績の概要 |
小胞体ストレス応答の支流であるPERK又はその下流に位置するEIF2シグナリング(ISR形成)との間にpositive feedbackが生じることにより、細胞死に至る。EIF2シグナリングとは、翻訳開始因子eIF2aの活性化によるISR形成、ATF4の翻訳促進による発現量増加、そしてアポトーシス誘導因子CHOP遺伝子の転写活性化による発現増加、と連続するシグナル経路である。既存のISR又はEIF2阻害化合物は副作用や薬理動態的な問題のため、実用化に至っていない。最近抗うつ薬として上市されているトラゾドンにEIF2阻害作用があることが報告された(Brain, 2017)。そこで、研究代表者はトラゾドン類縁体に着目するに至った。 トラゾドンのEIF2阻害作用の詳細な作用機序は未解明である。トラゾドンは肝臓でTriazolopyridineとPhenylpiperazineに代謝される。Phenylpiperazineはセロトニン作動薬の活性があることが報告されているが、Triazolopyridineの薬理作用は不明である。私たちはATF4 luciferase assay及びトランスクリプトーム解析により、Trazodone・Triazolopyridine・Phenylpiperazineの阻害作用を比較検証した。その結果、Triazolopyridineに最も強い阻害作用を認めた。またTriazolopyridineの化学構造はEIF2阻害活性の強いインドール類縁体と似ている。そこで、薬物動態や安全性が担保されたトラゾドンを起点とし、Triazolopyridine基を構造展開することにより、新規EIF2阻害薬の開発を目指している。
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