研究課題/領域番号 |
20K17213
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
大谷 咲子 北里大学, 医学部, 助教 (60439081)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | EGFR陽性肺癌 / 髄膜癌腫症 / オシメルチニブ耐性 / EGFR変異肺癌 / KRAS変異 / 髄膜がん腫症SCIDマウス / MEK阻害薬 / オシメルチニブ / 薬剤耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるオシメルチニブはEGFR陽性肺がん患者に対して無増悪生存期間を延長させ、中枢神経系(CNS)病変に対する有効性も高い。しかし、長期の治療により耐性となる再発症例が問題となりつつある。本研究は、臨床的に治療に難渋するEGFR変異肺がんの髄膜がん腫症に焦点を絞り、髄膜がん腫症におけるオシメルチニブ耐性機構を解明し、耐性を克服する治療法を見出す研究である。
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研究成果の概要 |
髄膜癌腫症(LMC)における第3世代EGFR-TKIであるオシメルチニブ耐性機構の解明および克服を目的とした。ゲフィチニブ耐性後オシメルチニブにも耐性化したLMC in vivo イメージングモデルから樹立したがん細胞株(G-OR#2)を用いて実験を進めた。G-OR#2は次世代ゲノムシーケンサー(NGS)においてKRAS-G12V変異を検出した。in vitroにおいてG-OR#2はMEK阻害薬(トラメチニブ)をオシメルチニブと併用したところ細胞増殖抑制を認めた。また、LMCモデルにおいてもトラメチニブとの併用で腫瘍の進展抑制が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オシメルチニブは、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌患者対する標準治療薬であり、約70%の症例において奏効することが知られている。髄液移行性も高く中枢神経系(CNS)病変に対する有効性も高い一方、長期治療中に髄膜癌腫症や脳転移等のCNS転移が耐性獲得による病勢増悪の場となり患者のQOLを著しく低下させることが多い。本研究では、オシメルチニブ耐性LMC in vivo イメージングモデルから樹立したがん細胞株(GOR#2)よりKRAS-G12V変異を検出し、in vivoにおいてオシメルチニブとMEK阻害薬との併用で耐性を克服できる可能性が示されたことに大きな意義があるものと考える。
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