研究課題/領域番号 |
20K17215
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
泉 大樹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (80813485)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 肺癌 / ドライバー遺伝子 / 免疫治療 / γδT細胞 / ゾレドロン酸 / 非小細胞肺癌 / バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
近年、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)を用いたがん免疫療法の有効性が証明され、実臨床へ導入されている。しかし、ICIが全く奏効しない亜集団も存在し、これらの無効例には新たな治療開発が必要である。γδT細胞は体外で選択的に増幅可能なことやHLA非拘束性に抗腫瘍活性を示すことから、がん免疫治療への応用が期待されている。本研究では、BP製剤で誘導されるγδT細胞の抗腫瘍効果がドライバー遺伝子の種類や有無によって異なるか否かを基礎的研究で評価する。本研究で、BP製剤併用下のγδT細胞療法が特定の腫瘍で有効であることが示されれば、新たながん個別化免疫療法の開発へつながると考える。
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研究成果の概要 |
Vγ9Vδ2T細胞による腫瘍細胞の障害活性は、添加するゾレドロン酸濃度依存的、エフェクター細胞/ターゲット細胞比依存的により増強した。ゾレドロン酸はメバロン酸経路の酵素であるHMGCR発現を上昇させ、IPP蓄積及びVγ9Vδ2Tによる細胞障害活性増強に影響していると考えられた。EGFR阻害剤も同様にメバロン酸経路の酵素(HMGCR, FDPS)発現を上昇させた。しかし、EGFRノックダウンはZOLによるVγ9Vδ2T細胞の腫瘍細胞障害活性増強へ影響せず、EGFR遺伝子変異含め、特定のドライバー遺伝子とZOLによるVγ9Vδ2T細胞の腫瘍細胞障害活性増強の関連性は見いだせなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Vγ9Vδ2T細胞による腫瘍細胞の障害活性は、特定のドライバー遺伝子で特に有効であるという結果は見いだせなかったが、ドライバー遺伝子陰性の細胞株と比較して遜色ない細胞障害活性を認めており、ドライバー遺伝子陽性例に対しても効果が期待できる免疫治療の一つであると考えられる。Vγ9Vδ2T細胞を用いた免疫治療の安全性・有効性をドライバー遺伝子陽性例を含む肺癌で検証していくことで、既存の免疫治療(免疫チェックポイント阻害剤)で効果が得られないドライバー遺伝子陽性の肺癌患者にも免疫治療の恩恵が得られる可能性がある。
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