研究課題/領域番号 |
20K17219
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
金光 禎寛 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (20765268)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 喘息 / カプサイシン咳感受性 / TRPV1 / 非アレルギー性喘息 / 難治性喘息 / 非type2性喘息 |
研究開始時の研究の概要 |
アレルゲンを介して生じる好酸球を中心としたtype2気道炎症が喘息の古典的な病態として知られている。近年、気道知覚神経過敏と喘息の病態の関連が報告されており、特に女性、非アレルギー性喘息患者、喘息コントロール不良患者でTRPV1受容体アゴニストであるカプサイシンに対する咳応答の亢進(以下、カプサイシン咳感受性亢進)がみられることが報告されている。難治例の非アレルギー性/非type2性気道炎症の病態を反映するバイオマーカーとしてカプサイシン咳感受性に着目し、本研究を通じて難治性喘息におけるカプサイシン咳感受性の意義を明らかにする。
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研究実績の概要 |
下気道のC線維の終末に主に発現するtransientreceptorpotentialvanilloid-1受容体を介した知覚神経過敏と喘息の病態の関連が報告されており、カプサイシンに対する咳応答の亢進(以下、カプサイシン咳感受性亢進)は気道の知覚神経機能不全を反映する指標と考えられている。難治例の病態を反映するバイオマーカーとしてカプサイシン咳感受性に着目し、本研究を通じて難治性喘息におけるカプサイシン咳感受性の意義を明確にすることを本研究の『問い』とした。 本年度は1.機能性消化管障害(FGIDs)とカプサイシン咳感受性の関係、2.難治性喘息性咳嗽に対する長時間作用型抗コリン薬(LAMA)の有用性の前向き検討を行った。1.これまでの報告から喘息患者でFGIDsの合併率が高いことが報告されており、合併例では重症例が多いことが知られていたが、喘息におけるFGIDs合併の臨床的意義は不明であった。喘息もFGIDsもTRPV1を介した知覚神経過敏が病態に関連することが報告されており、FGIDsの併存が重症喘息のカプサイシン咳感受性亢進を反映する合併症であるという仮説を立て検証した。FGIDs併存例では非併存例に比し有意にカプサイシン咳感受性の亢進を認め、GERDの影響は受けずに重症喘息例のカプサイシン咳感受性亢進に関連することを示した。2.後方視的検討でLAMAであるチオトロピウム(Tio)がカプサイシン咳感受性の改善を介して吸入ステロイド治療(ICS)抵抗性の喘息性咳嗽の改善をもたらす可能性を報告したが、前向きにTioの喘息性咳嗽に対する効果を検討した。TioはICS抵抗性の喘息性咳嗽を改善し、Tio導入前のカプサイシン咳感受性亢進がTioによる治療効果を予測する因子になる可能性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、重症喘息におけるカプサイシン咳感受性亢進の病態に関連する併存疾患として機能性消化管障害に着目し、機能性消化管障害の合併が重症喘息のカプサイシン咳感受性亢進に関連することを報告した(Ito K, Kanemitsu Y, et al. Functional gastrointestinal disorders are associated with capsaicin cough sensitivity in severe asthma. Allergol Int 2023: 271-8.)。また、吸入ステロイド治療に抵抗性を示す喘息性咳嗽に対するチオトロピウムの効果についても報告することができた(Fukumitsu K, Kanemitsu Y, et al. Tiotropium for refractory cough in asthma via cough reflex sensitivity: a randomized, parallel, open-label, trial. Ann Allergy Asthma Immunol. 2023)。
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今後の研究の推進方策 |
現在、難治性喘息性咳嗽に対する気管支サーモプラスティ療法の効果や重症喘息におけるIL-5とカプサイシン咳感受性の関連について論文を投稿中である。
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