研究課題/領域番号 |
20K17227
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
栗山 祥子 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (30773626)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 肺動脈性肺高血圧症 / 肺血管内皮細胞 / 低酸素曝露 / CD69 / 血管炎症 / 肺微小血管内皮細胞 / 微小血栓 / Myl9 / 内皮間葉転換 / 肺高血圧症 / CD4陽性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH) は致死的な難治性疾患であり、血管の慢性炎症が病態進展に関与するとされるが、詳細は未だ不明である。申請者は、活性化CD4陽性T細胞に発現するCD69と、その機能リガンドであるミオシン軽鎖(Myl9)の関与に着目した。Myl9分子は炎症反応に伴って血小板から放出され、Myl9網目構造を形成し、CD69を発現した炎症細胞を組織内に誘導する因子と考えられている。本研究では、PAHの微小血栓や血管内皮細胞障害の部位における、血管の慢性炎症の病態へのMyl9を関与を解明することで、新規治療標的分子としての可能性を検証することを目的とする。
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研究成果の概要 |
申請者は、肺動脈性肺高血圧症(PAH) の慢性血管炎症における、CD69の機能リガンドであるミオシン軽鎖(Myl9)の関与に着目した。Myl9分子は炎症反応に伴って血小板から放出され、血管内で網目構造を形成し、CD69を発現した炎症細胞を組織内に誘導する因子として働くと考えられている。本研究では、PAHモデル動物の肺血管内皮障害部位および微小血栓形成部位において、Myl9網目構造が正常群と比して有意に形成されていることを証明した。肺微小血管内皮細胞の慢性低酸素曝露刺激にて、Myl9/12発現が増強した。以上より、Myl9が肺高血圧症の病態形成に関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺動脈性肺高血圧症(PAH) は致死的な難治性疾患であり、その詳細な病態が解明されていない難病である。治療薬は血管拡張薬が主体であり、主病態である血管内腔の閉塞の改善を標的とした治療法はない。 今回申請者らは、PAHの特徴的な求心性内膜増殖病変を有する動物モデルにおいて、血管内皮障害部位および微小血栓形成部位において、活性化CD4陽性T細胞に発現するCD69の機能リガンドであるミオシン軽鎖(Myl9)がPAHの病態進展に関与することを新たに明らかにした。この検証により、PAHの主病態の形成にアプローチする新たな機構が示され、今後、新規の治療標的となりうる可能性が示唆された。
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