研究課題/領域番号 |
20K17233
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター (2021-2022) 日本医科大学 (2020) |
研究代表者 |
岩渕 千里 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 疾患ゲノム研究部 研究員 (20514441)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肺がん / HIF-1a / 癌幹細胞 / HIF1a / 肺癌 / O-Glc-Nac修飾 / O-Glc-Nac |
研究開始時の研究の概要 |
多くの癌における再発・転移には癌幹細胞の存在が重要である報告されている。癌幹細胞の機能を獲得するにあたりどの遺伝子がマスター因子となるのか。それは癌の種類や細胞の環境状況によって変化することも知られている。そこで本研究では肺癌において、HIF-1aがマスター因子となりうるのかを解析することを目的とした。申請者は、HIF-1aが高発現することで癌幹細胞の数が増加すること、腫瘍形成能が上昇することを見出している。本研究では、HIF-1aと解糖系のO-Glc-Nac修飾の変化が癌幹細胞の維持、増加にどのような変化をもたらすかに着目し、癌幹細胞の維持機構の解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究課題では日本人の癌の部位別死亡順位で、常に上位にある肺がんについて、癌幹細胞の維持機構に注目し研究を行った。癌幹細胞は薬剤耐性獲得・転移などに深く関与していることが報告されており、申請者はこれまでに低酸素応答因子のHIF-1aの発現上昇によって肺がん細胞が薬剤耐性を獲得すること、癌幹細胞の数が増加することを示している。そこで本研究ではHIF-1aの転写活性の有無によって癌幹細胞の維持機構が変化するかをタンパク質修飾の1つであるO-Glc-Nac修飾に着目して研究を行った。O-Glc-Nac修飾りん酸化修飾などと同様にタンパク質の機能調節を行うことが知られており、解糖系の一種である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺がんは男女ともに死亡率上位となる予後不良な疾患の1つである。効果的な治療法の開発は重要で急務である。本研究課題で着目した癌幹細胞は癌の転移や薬剤耐性獲得に大きく影響を及ぼす細胞である。この細胞の維持機構を破綻させることができれば薬剤耐性獲得解除や転移を防げる可能性を秘めており研究成果は多くの肺がん患者のQOLを向上させるのに有益な基礎研究の結果になると予想される。さらに他の癌においても応用が可能かもしれない。申請者が報告してきたEGFR陽性NSCLC細胞でのHIF-1αによる薬剤耐性獲得機構に関する研究はこれまで報告がなく独自の研究である。
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