研究課題/領域番号 |
20K17237
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
池上 博昭 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (30833511)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 慢性肺アスペルギルス症 / 細菌叢 / マクロファージ / 肺アスペルギルス症 / 肺真菌症 / マクロファ―ジ |
研究開始時の研究の概要 |
慢性肺アスペルギルス症は、アスペルギルス属による肺感染症であり、難治性で現在でも致死率が高い。有効な治療法の開発には、本症の増悪に関与する菌側、宿主側因子の解明が必須かつ急務である。今回、本症の肺病変部における一般細菌が、病態進行へ関与しているかについて臨床検体を用いた細菌叢解析を行い画像、臨床経過とあわせて検証する。宿主因子評価目的に肺胞マクロファージの細菌や真菌に対する貪食能、感染免疫に関与する遺伝子群を計測し、本症の重症度や臨床経過との関連性を明らかにする。これらの知見をもとに、本症に対する新規の治療戦略を提案し確立する。
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研究成果の概要 |
【背景】慢性肺アスペルギルス症は、難治性感染症である。本症の肺病変部における一般細菌叢の病態形成への関与は明らかでない。【方法】産業医科大学病院で慢性肺アスペルギルス症が疑われ、気管支鏡検査を施行した24症例を対象とした。細菌叢解析にはSanger法にクローンライブラリー法を組み合わせた手法を用いた。【結果】慢性肺アスペルギルス症と診断した15症例中16SrRNA領域でのPCR陽性は11例で、Streptococcus属(9例)と嫌気性菌(10例)が高頻度に検出された。【結語】Streptococcus属と嫌気性菌の混合感染が慢性肺アスペルギルス症の病態形成に関与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに慢性肺アスペルギルス症に対しては、背景病態として、嫌気性菌などの一般細菌が関与していることを検討している報告はなく、一般細菌が本症の病態や進行に関与していることが明らかになれば、治療に難渋することが多い慢性肺アスペルギルス症に対する有効な治療戦略に対する新しい知見が見いだされる可能性が考えられ、社会に大きく貢献できることが期待される。今回の解析からは慢性肺アスペルギルス症においてStreptococcus属と嫌気性菌の混合感染が多い傾向を認め、病態や宿主因子、疾患進行との関係性について今後さらなる検討が必要である。
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