研究課題/領域番号 |
20K17239
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2022-2023) 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 (2020-2021) |
研究代表者 |
宮田 純 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80464866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 好酸球 / トランスクリプトミクス / プロテオミクス / リピドミクス / 2型サイトカイン / 1型サイトカイン / 難治性アレルギー疾患 / トランスクリプトミクス解析 / プロテオミクス解析 / IL-4 / IL-33 / TNF-alpha / IFN-gamma / IFN-alpha / アレルギー疾患 / 多層オミクス解析 / バイオインフォマティクス / 重症喘息 |
研究開始時の研究の概要 |
好酸球はアレルギー疾患において重要な役割を果たしている免疫担当細胞である。本研究では多層オミクス解析(トランスクリプトミクス・プロテオミクス・リピドミクス)とバイオインフォマティクスによる解析を健常者と重症喘息・好酸球性副鼻腔炎患者由来の末梢血及び炎症部位から単離した好酸球に適用し、好酸球が『どのような細胞外環境の影響を受けて性質を変化させているか』予測可能な解析システムを開発し、好酸球性肺疾患の病態解明への応用を目指す。
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研究成果の概要 |
刺激因子の2型・1型サイトカインの存在下で培養した健常者の血中好酸球を用いて RNA-seqを実施した.RNA-seq により各刺激因子に特異的な下流の変動因子を同定した.同様の変化をプロテオミクスとフローサイトメトリーで確認した.鼻茸好酸球の遺伝子発現データを用いて、これらの刺激因子による変化が炎症部位の好酸球で生じていることを確認した.以上から、これらの因子が複合的に病態に関与している可能性が示唆された.本研究で同定された因子群の変化は様々なアレルギー疾患の複雑な病態の解釈に有用な可能性があり、今後の研究に応用可能なデータベースの基盤を構築できた.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難治性アレルギー疾患では好酸球は炎症局所に浸潤して病態に関与する。これまでの研究では細胞機能や表面抗原等の単一の評価項目に着目しており、包括的な評価が為されていなかったため全体像を捉えることは困難であったが、マルチオミクス解析はこの問題点を解消した。今回の研究では様々な刺激因子を用いることで炎症環境で生じうる細胞の変化を再現し、なおかつその変化をマルチオミクス解析で明らかとした。炎症局所の好酸球は複雑な炎症応答が組み合わさって誘導されている可能性を見出した。本知見が、今後の治療標的となる因子の同定と既存治療以外の治療選択肢の提案に貢献し、更なる治療戦略の改善に繋がると期待される。
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