研究課題/領域番号 |
20K17249
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
石森 真吾 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (30465950)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | レニン・アンギオテンシン系 / 先天性腎尿路異常 / 多嚢胞性異形成腎 / 尿中アンギオテンシノゲン / 尿中アンギオテンシノーゲン / 腎臓学 / 小児科学 / 遺伝学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は腎臓内レニンアンギオテンシンに着目し、未だに明らかでない先天性腎尿路異常患者における慢性腎臓病及び末期腎不全進展機序を解明するものである。まず日本人先天性腎尿路異常児に対しレニンアンギオテンシン系関連遺伝子の解析を網羅的に行う。さらに腎由来培養尿細管上皮細胞を用いてレニンアンギオテンシン系関連蛋白と間質線維化マーカー等を解析することで、慢性腎臓病進展メカニズムの解明を行う。加えて腎機能障害顕在化以前のレニンアンギオテンシン系阻害薬や活性酸素阻害薬による慢性腎臓病進展予防の疾患特異的新規治療法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
対象を片側多嚢胞性異形成腎9例、片腎6例とし、対照は年齢、性別をマッチさせた正期産児17例を健常コントロールとし腎内局所レニン・アンギオテンシン系の指標とされる尿中アンギオテンシノゲンを測定し各種臨床パラメーターとともに比較検討した。3群において背景因子に差はなく、尿中アンギオテンシノゲン/Crは片腎例、コントロール例と比較し片側多嚢胞性異形成腎例が有意に高値であった(p=0.004、p=0.01)。収縮期血圧は片腎例と比較し片側多嚢胞性異形成腎例が有意に高値であった(111 vs 101 mmHg、p=0.01)。片側多嚢胞性異形成腎は腎内レニン・アンギオテンシン活性化との関連が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多嚢胞性異形成腎は、固有腎としての機能を有さず数年で自然退縮するが、その機序や病態は不明である。一方、近年レニンアンギオテンシン(RAS)系のうち、腎内局所RASが多くの慢性腎疾患や腎発生過程の在胎期間に関連が検証されているが、多嚢胞性異形成腎と腎内局所RASとの関連を検討した報告はない。今回の研究結果から片側多嚢胞性異形成腎は腎内RAS活性化との関連が示唆された。腎発生過程もしくは出生後経過のどちらに関与しているかは現時点では不明であるが、多嚢胞性異形成腎の自然退縮過程を含めた腎内RASの経時的変化を評価する計画であり、より病態の本質に迫ることが期待される。
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