研究課題/領域番号 |
20K17250
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中川 輝政 熊本大学, 病院, 助教 (20867949)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | セリンプロテアーゼ / プラスミン / 慢性腎臓病 / セリンプロテーゼ / 尿中バイオマーカー / 高血圧 / ENaC |
研究開始時の研究の概要 |
上皮型Naチャネル(ENaC)は腎集合尿細管で体内のNaバランスを調節しており、セリンプロテアーゼ(SP)により活性化される。本研究では、CKDにおける尿中SPによるENaC活性化を標的とした新たな降圧治療法開発を目標として、①ENaC活性化に関与する尿中SPの同定、②標的SP活性化機序の検討(プロテアーゼカスケードの解明)、③標的SPの特異的阻害薬・ノックアウトマウスによるENaC抑制効果の検討、④CKD患者の尿中SP活性の評価、⑤高血圧合併CKD患者におけるENaC阻害薬トリアムテレンの有用性の検討、の順に行う。
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研究成果の概要 |
食塩感受性高血圧ラットを用いて、高食塩食により腎障害が生じ、尿中セリンプロテアーゼが活性化されることを確認し、合成セリンプロテアーゼ阻害剤により腎障害や酵素活性が抑制されることを示した。また、セリンプロテアーゼの1つであるプラスミンを抑制することで、血圧上昇や腎障害を抑制することが明らかになった。食塩感受性高血圧ならびに腎障害の新規治療薬としてプラスミンがターゲットとなる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の実験で用いた動物は、日本人に多いとされる塩分摂取過多に対応する動物モデルである。高血圧治療において、食事療法による減塩が必要であることは周知の事実であるが、それを実行・継続できない症例も多々あり、薬物療法も必要となる。本研究では、セリンプロテアーゼであるプラスミンがそうした食塩感受性高血圧ならびに腎障害に対する新たな治療標的となる可能性が示された。年々増加する慢性腎臓病(CKD)患者に対し、血圧・合併症を減少させる新たな治療戦略となれば、医療費の抑制にもつながり、社会に対しても有益な研究であると考えられる。
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