研究課題/領域番号 |
20K17253
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
村島 美穂 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40771837)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 急性腎障害 / 心臓血管外科手術 / 心臓血管手術 / 腎性貧血 / 前向きコホート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、急性腎障害(AKI)のリスクの高い慢性腎臓病または蛋白尿陽性の患者を対象とし、AKIの発症率の高い状況として、消化器外科の開腹手術、心臓血管外科手術、化学療法を受ける患者を対象として研究を行う。対象患者を前向きに長期経過観察を行い、AKIを起こさなかった患者に比べてAKIを起こした患者で起こっている変化を調べる。一般的な心血管系イベントや末期腎不全のリスク因子(血圧、蛋白尿、脂質、血糖、喫煙など)だけではなく、炎症、貧血、骨代謝などについても検討し、さらに予後との関連を検討することで、今後の介入研究につなげていくことを目的とする。
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研究成果の概要 |
予備解析で、eGFR、ヘモグロビン濃度ともにAKIを起こした症例で長期に低かった。一方、エリスロポエチン(EPO)の血中濃度はAKI症例の方が高い傾向にあった(p for interaction 0.08)。また、ln(フェリチン/TSAT)で定義した鉄囲い込み指数(慢性炎症の指標)は、AKIを起こした症例で高い傾向にあった。AKIを起こした症例でもEPO産生能は保たれており、貧血が起こるのはむしろ、慢性炎症による鉄囲い込みが起こるからであることを示唆する結果となっている。腎容積はeGFRと独立してAKIと関連しており、腎容積が小さい症例では、RAS阻害薬投与でAKIが多かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
AKI後の慢性炎症の遷延が貧血や予後の悪化につながっていることを示唆する結果であった。このことは、AKIの予後を改善するために、慢性炎症の病態を解明し、介入することが必要であることを示唆しており、今後の研究につながるものであった。また、腎容積とAKIの関連が示され、腎容積の大小によりRAS阻害剤のAKIに及ぼす影響が異なることを示した。腎容積は非侵襲的に測定できる値であり、腎容積がAKIのハイリスク群の同定や周術期マネジメントに応用できる可能性がある。
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