研究課題/領域番号 |
20K17254
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
大野 和寿 自治医科大学, 医学部, 臨床助教 (50867520)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 急性腎障害 / バイオマーカー / EGF / 尿細管再生 / 腎幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
尿細管の再生能力は加齢とともに低下し、高齢者では腎機能が回復せず透析導入に至るケースも少なくない。最近、申請者のグループはその要因として「加齢に伴う腎幹細胞数の減少」を明らかにした。本研究では、「腎幹細胞の老化メカニズム」を明らかにする。Doxycycline誘導Histone 2B-GFPマウスを用いて、分裂速度の非常に遅い腎幹細胞をGFP標識する。若年マウスおよび高齢マウスからFACSにより分離したGFP標識腎幹細胞を用いて、発現量に差があるリガンド・受容体をプロテインアレイにより探索する。本研究で得られた知見は、腎再生医療のさらなる発展に大きく寄与するものと思われる。
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研究成果の概要 |
本研究では、急性腎障害(AKI)患者(n=99)の尿中Epidermal growth factor(EGF)をELISAで測定し、尿細管障害の重症度および腎予後との関連を調べた。健常人と比較し、AKIで尿中EGFは有意に減少していた(14522 ± 2190 vs 3201 ± 459.7 pg/mL、p<0.05)。腎性AKIでは、腎前性AKIよりも尿中EGFは有意に低かった。AKIステージ3では、AKIステージ1よりも尿中EGFが有意に低かった。血清EGFと尿中EGFに有意な相関を認めなかった。以上より、尿中EGFはAKI後の尿細管修復を反映する非侵襲的なマーカーとして有用と思われた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により急性腎障害の診療における尿中EGFの重要性が示された。得られた知見は、「早期診断と病因の特定」「進行の監視と重症度の評価」「薬物の投与や調整のガイド」「予後の予測とリスクの評価」など様々な場面で活用できると思われる。バイマーカーと他の臨床情報(症状、身体所見、検査結果など)とを組み合わせた総合的な判断により、急性腎障害の診療レベルのさらなる向上が期待できると思われる。
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