研究課題/領域番号 |
20K17257
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 岡山大学 (2021-2023) 東海大学 (2020) |
研究代表者 |
田中 景子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80794370)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ポドサイト / 血小板 / CLEC-2 / Podoplanin / 慢性腎臓病 / 腎臓 |
研究開始時の研究の概要 |
Podoplaninは腎糸球体ポドサイトの細胞膜に強く発現するが、その機能は不明である。Podoplaninの内因性結合分子は、血小板に発現するC-type lectin like receptor-2(CLEC-2)である。正常時、ポドサイトは糸球体基底膜により血小板から隔絶されているが、基底膜傷害時に血小板や血漿中の可溶性CLEC-2がポドサイトに作用する事が考えられた。本研究計画では、in vitroおよびin vivoでCLEC-2がPodoplaninを介してポドサイトに与える影響を評価し、CLEC-2の傷害ポドサイトへの効果を明らかにする。
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研究成果の概要 |
Podoplaninはポドサイトに強発現するが、その内因性結合分子である血小板CLEC-2の作用はこれまで不明であった。正常時、ポドサイトは血小板から隔絶されているが、基底膜傷害時に血小板CLEC-2がポドサイトに作用すると考えられた。リコンビナントCLEC-2を作製し、in vitroおよびin vivo実験を行った。CLEC-2は、ポドサイトに結合し介在蛋白ERMの脱リン酸化により、 Podoplaninからアクチンを乖離させ、アクチン線維の分断・収縮を起こした。その結果ポドサイトは形態変化をおこし、遊走能を獲得すると判明した。またポドサイト傷害時に尿中血小板が検出されることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、古くから知られていたポドサイトタンパク質Podoplaninの知られざる新たな機能を解明し、ポドサイトが糸球体濾過バリア破綻を伝えるCLEC-2のセンサーを備えているという事を明らかにした。このことは今後ポドサイト保全の新しい治療ターゲットにつながる可能性がある。また今まで顧みられなかった尿中血小板に、蛋白尿や血尿とは異なる新たな診断的価値を与える可能性がある。
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