研究課題/領域番号 |
20K17258
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
松本 啓 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30439799)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 再生医療 / 慢性腎不全 / 異種移植 / 血管侵入 / 後腎移植 / 腎臓再生 / 糖尿病 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らが目指す腎再生医療の骨格となる技術として、胎仔発達過程の腎である後腎を移植し新しい腎を発生させる後腎移植と、そこにヒ トネフロン前駆細胞を打ち込んで発生継続させる胎生臓器ニッチ法とがあり、腎代替療法に使用可能となるヒト細胞由来の新規発生腎を作成することを最終目標にしている。動物において後腎を成獣レシピエントに移植するとレシピエントから血管を引き込み発達継続していくが、臓器をより大きく育てるための条件検討が必要であった。本研究はげっ歯類モデルにおいて、後腎移植時にお ける侵入血管の太さと生理機能の検討を行い、最適な後腎移植 の条件を確立することを目的とする。
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研究成果の概要 |
我々は腎臓再生医療を目指し、発達段階の新規腎を移植している。新規腎を効率よく機能させるためには、十分な血流をもつレシピエント血管が新規腎に引き込まれる必要があるが、これまで侵入血管による血流は十分でなかった。本研究で血管内皮増殖因子(VEGF)により、新規腎への血管侵入が改善するか検証をラットモデルで行った。 VEGF群では侵入血管の最大径が2倍程度に増大し、侵入する血管数も増大し、皮髄境界が明瞭化した。次にレシピエントラットに HIFーPH阻害薬を投与し、比較検討を行った。その結果、HIFーPH阻害薬投与群の方が腎が大きく、尿細管腔も大きい傾向があった。現在さらなる追加の検討を行なっている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性腎臓病は8人に1人の国民病と認知され、日本における患者数は1330万人にのぼる。現在日本国内に約35万人の透析患者がおり、腎臓再生医療の開発は喫緊の課題である。本研究は腎臓再生医療を開発する上で、移植した幼弱腎をより大きくするために、より良い血管侵入をもたらすために遂行した。その結果、VEGFを使用するとより良い傾向が得られたため、VEGFを誘導する作戦として、近年ヒト臨床に上市されているHIFーPH阻害薬を投与することに着想し、実際に腎臓の一部のサイズや機能を大きくすることに成功した。統計学的有意差を得るために現在追加実験中であるが、腎臓再生医療実現へ一つ歩を進めることができた。
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