研究課題/領域番号 |
20K17261
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
秋久 太良 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80867599)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 多発性嚢胞腎 / 重症化 / Hippoシグナル / 腎腫大 / YAP/TAZシグナル / 慢性腎臓病 / 器官サイズ / 難病 / PKD / CKD / ポリシスチン / 尿細管 |
研究開始時の研究の概要 |
多発性嚢胞腎は特異的な嚢胞の形成、臓器の腫大を呈するが、遺伝子変異に起因する嚢胞細胞の機能異常がすべてのネフロンに発生するわけではない。非嚢胞の腎実質も何らかの機序により障害されていくが、この過程に、体や臓器、器官のサイズの制御、ひいては細胞密度、数の調節に関わるHippoシグナルの関与を推定し、その病態での意義を明らかにし、新たな創薬の可能性を探求する。
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研究成果の概要 |
多発性嚢胞腎は90年代に原因遺伝子が特定されたが、遺伝子変異は100万個あるネフロンの数パーセントに生じるのみとされ、腎機能低下は、嚢胞形成のみでなく、正常腎実質の喪失が原因とされている。本研究では、昨今、臓器、器官のサイズの制御、ひいては細胞密度、数の調節にHippoシグナルの存在が報告されており、本症の特異な腎の腫大、多数の嚢胞形成にも関与の可能性を仮定した。実際、このシグナルの異常を実験動物で証明し、この機序への介入が、本症の進展、重症化に治療的効果をもたらすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多発性嚢胞腎は遺伝性腎疾患で、最も頻度の高い病気であり、従来治療法はなく、半数以上の患者が透析などの腎代替療法が必要となる。遺伝子異常が特定され、新たな治療薬が診療に応用されているが、ただ、その進行を完全に阻止することはできないでいる。今回、さらに疾患原因に関わる機序の解明は本症に対する新たな治療薬の可能性を提示した。その試みは、腎臓に関わらず遺伝性疾患に対して、遺伝子異常のみならず、それによって生じる分子生物学的現象にも治療上の可能性があることを示唆し、治療法に新たな医学の視点を提示している。
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