研究課題/領域番号 |
20K17272
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内田 奈生 東北大学, 大学病院, 助教 (30771670)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 慢性腎臓病 / 再生医療 / 尿中落下細胞 / 幹細胞 / Muse細胞 / 多能性幹細胞 / SSEA-3 / 糸球体再生 / 細胞塊 / 間葉系幹細胞 / 腎臓病 |
研究開始時の研究の概要 |
腎疾患患者の尿中には、腎臓・尿管・膀胱から脱落した細胞が含まれており、これを尿中落下細胞と呼ぶ。当研究室では、以前から尿中落下細胞の研究をしており、その中で、一部の尿中落下細胞が骨、脂肪、軟骨などの腎臓ではない細胞に分化する現象に気が付かれた。骨・脂肪・軟骨は大きく間葉系という組織に分類される。間葉系の様々な組織に分化することができる未分化な細胞を間葉系幹細胞といい、上記の現象は、尿中落下細胞内に間葉系幹細胞が含まれることを示していた。腎疾患患者の尿に含まれる幹細胞が、腎臓組織の修復に寄与している可能性があると考え、細胞表面マーカーによる幹細胞の同定やPCR・免疫染色による幹細胞の解析を行う。
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研究成果の概要 |
小児腎臓病患者の尿中に障害された腎組織を再生する幹細胞が含まれるという仮説をたて検証を試みた。小児腎臓病患者から尿検体の提供を受け、尿中落下細胞を培養した。接着細胞上にES細胞様のClusterが形成された。これらのClusterは未分化・幹細胞のマーカーであるアルカリフォスファターゼ陽性の細胞が含まれ、また多能性幹細胞(Muse細胞)のマーカーであるSSEA-3陽性細胞が含まれた。上記の結果から尿中落下細胞に幹細胞が含まれると考え、患者の腎生検標本上でSSEA-3染色を行った。一部の患者検体で糸球体を構成する細胞にSSEA-3陽性を認め、この幹細胞が糸球体を修復している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎臓病は罹患頻度の高い疾患であり、末期腎不全患者は維持透析や腎移植が必要になる。これらの治療法は高い医療費や移植臓器の不足といった問題を抱えている。今回の研究は障害された腎臓を再生する幹細胞の存在、同定に迫るものであり、現在の腎不全治療の問題を再生医療によって解決する方法につながるものである。
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