研究課題/領域番号 |
20K17273
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
渡辺 光治 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (40865052)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腎線維化 / マクロファージ / Shp1 / M-CSF / フローサイトメトリー / Vimentin / 腎臓病 / 自己免疫疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
腎の線維化においてマクロファージの関与が着目されているが詳細は明らかでない。申請者らはこれまでにフローサイトメトリーを用いた腎内マクロファージの解析法を確立した。そして正常マウスの腎内には樹状細胞のマーカーであるCD11cを発現するマクロファージが多数存在することを見出している。また、抑制性のシグナル伝達分子のShp1をCD11c特異的に欠損するマウス(Shp1 CKO)は、腎内でマクロファージが著増し、腎の線維化が亢進する事実を見出している。本研究ではShp1 CKOを用いて腎臓内マクロファージの活性化と腎の線維化の亢進に焦点をあてて解析を行い、腎線維化の免疫学的メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
腎線維化の進展にはマクロファージ(MΦ)などの免疫系細胞が関与するとされているが詳細は明らかでない。そこで我々は腎線維化を自然発症するShp1 CKOマウスの腎臓をフローサイトメトリーで解析した。その結果、Shp1 CKOの線維化腎ではF4/80 high MΦが著増しており、このMΦは線維化マーカーであるVimentinを高発現し、増殖能が亢進していた。さらにはShp1 CKOの腎F4/80 high MΦではShp1が欠損しており、M-CSFシグナルが亢進していた。以上より、Shp1は腎F4/80 high MΦのM-CSFシグナルを負に制御し、腎の線維化を抑制することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Shp1は腎F4/80 high MΦのM-CSFシグナルを負に制御し、腎の線維化を抑制する可能性が示された。これらの事実は、F4/80 high MΦ、Shp1、M-CSFといった分子・細胞が腎線維化におけるkey playerである可能性を示している。腎線維化の免疫学的メカニズム解明のため重要な知見であると考えられ、さらには、これらをターゲットにした腎線維化における新規治療法の開発につながる可能性を示したと思われる。
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