研究課題/領域番号 |
20K17287
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鳥越 健太 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (90867532)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 急性腎障害 / 抗がん剤 / プロサイモシンα / シスプラチン腎症 / 薬剤性腎障害 |
研究開始時の研究の概要 |
シスプラチン(CDDP)は抗がん薬治療のkey drugだが、CDDPによる急性腎障害やその後の腎障害遷延により使用が制限される事があり、画期的な予防法確立が望まれる。プロサイモシンα(ProTα)は細胞の自己保護、生存に関わるタンパク質であり、近年ProTαをモチーフとした創薬が展開され、ProTα由来ペプチド(P6Q)が脳梗塞による神経細胞死及び後遺症抑制が報告された。脳梗塞による神経細胞障害とCDDP誘発性腎障害のメカニズムは共通するものが多く、P6QによるCDDP誘発性腎障害の抑制効果が期待できる。そこで本研究ではP6QによるCDDP誘発性腎障害の新規予防法確立と作用機序解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は核内タンパク質であるプロサイモシンα由来ペプチド(P6Q)が急性腎障害(AKI)を予防し得るか、またその機序を解明することを目的としている。シスプラチン(Cis)投与による薬剤性AKIモデルを使用し検討を行った。8週齢の雄Wistarラットを用い、Cis(30mg/kg)を腹腔内に投与し、投与5日目にピークを迎えるAKIを発症させた。Cis投与30分前にP6Q(30mg/kg)を静脈内に投与し腎障害の抑制効果を検討した。P6Q投与により、Cis投与に伴う血清クレアチニンの上昇が抑制され、腎の組織学的障害度スコアも抑制された。また尿細管のTUNEL陽性アポトーシス細胞数も減少した。この機序について、プロサイモシンαで報告されているAktリン酸化による抗アポトーシス効果に着目して検討を行った。Cisは腎組織におけるアポトーシスの共通経路であるcaspase-3の発現及びミトコンドリア経路に関連するcaspase-9の発現を亢進させたが、P6Q投与によりこれらは抑制された。さらに、腎組織におけるAktリン酸化はCis投与だけでも亢進したが、P6Q投与によりさらに発現が増強されることが確認された。以上の結果より、P6QはCisによるミトコンドリア経路のアポトーシスをAktリン酸化の増強によって抑制することでAKIを抑制することが明らかとなった。さらに、P6Qの腎保護効果が腎障害の慢性化予防につながるか検討するために、Cis投与後の腎障害のピーク後の経過を確認した。Cis投与5日目にピークを迎えた腎障害は、投与14日目では改善傾向となり、P6Qの投与の有無にかかわらず効果に差は見られず、長期的な効果に関しては確認できなかった。最終年度には近年P6Qと関連が報告されているMMP-9、MMP-2への影響を検討したが、今回のモデルではP6Qによる影響は確認できなかった。
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