研究課題/領域番号 |
20K17289
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
日高 義彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40624713)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 補体活性化 / 補体制御 / 補体制御異常 / ペントラキシン / 非典型溶血性尿毒症症候群 / C3腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
補体機能は免疫機能のひとつであり、活性化することにより感染症などから自分の体を守る重要な役割を担っているが、活性化そのものは自己に対しても有害となるため、自己保護のために補体制御機構が存在する。近年、補体制御機構の異常(補体制御異常)により発症する疾患が複数明らかとなってきたが、補体制御異常の有無を判別する簡便かつ迅速な診断法はまだない。補体制御異常関連疾患は稀ではあるが重篤かつ難治であることが多く、有用な診断法の確立が必要である。 本研究は、補体活性化反応を利用した補体制御異常検出法の確立と、それを利用した補体制御異常関連疾患の病態解明を目的としている。
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研究実績の概要 |
本研究は、補体活性化アッセイ系の確立を目標として2020年度に実験を開始した。急性相タンパク質として知られるペントラキシンファミリー(CRP、SAP、PTX3) を介した補体反応に着目した実験系である。 CRPやPTX3と補体系の相互作用を利用して補体古典経路から第二経路を経た終末経路の活性化を誘導し、第二経路の活性化産物Ba、終末経路の活性化産物sC5b-9、CFHなどによる補体制御の産物iC3bを、それぞれELISA法にて測定することを目標に、2020年度は比較対象データとして、健常者の血清・血漿検体を対象とし、Ba、sC5b-9の測定を行った。2021年度は前年度のデータ解析を継続して行い、データ収集に努めた。一部手技の見直しや改善点などの検討を行い、時間を要した。また、解析項目として新たにiC3bを追加し、複数検体を用いて測定した。当初再現性に課題があったが、手技の変更などにより改善が得られたため、継続して測定を行った。補体関連因子は検体の保存状況によりその解析結果が左右される特徴を有する。この点を確認すべく、Ba、iC5b-9、iC3bについて、同一検体で保存状況を異にした条件での解析を行った。Baは保存状況に特に影響を受けやすいことが示唆されたため、この点の追加解析が本年度での検討課題のひとつであったが、研究代表者の施設異動により、2022年度に施行することが困難となり、2023年度に研究期間延長した。しかし、新たな施設での研究体制の確立に時間を要し、2023年度に予定していた固相化CRPなどによる補体活性化を誘導する無細胞実験系の確立を2024年度に施行する予定とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者の施設異動により、研究体制の確立に時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に予定していた固相化CRPなどによる補体活性化を誘導する無細胞実験系の確立を目指す。CRPや PTX3をプラスチックプレートに固相化した後、血清・ 血漿を加えて補体古典経路を活性化させ、対象検体の補体制御状態を評価する。補体活性化の指標としてBa、sC5b-9を、補体制御の指標としてiC3bを、それぞれ ELISA法にて測定する。
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